酒離れに待った!“ミニサイズ”で狙うお試し需要

アサヒは「スーパードライ」に小瓶

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「アサヒスーパードライ ザ・クール」の小瓶(334ミリリットル)
 小ぶりにして売り込め―。ビールなど酒類メーカーが小さめのサイズで商品を投入するケースが目立っている。アサヒビールは新商品「アサヒスーパードライ ザ・クール」を小瓶(334ミリリットル)のみで4月9日に発売。サッポロビールは第三のビール「サッポロ ドラフトワン」を通常の缶サイズより少なめの容量で5月14日にリニューアル発売する。その理由は「新スタイル」「お値打ち感」「お試しやすさ」などさまざまだが、各社が差別化戦略として工夫を凝らしている。

20―30代狙う


 アサヒが「新商品を小瓶のみのサイズで発売するのは珍しいケース」(広報担当者)という。スーパードライブランドとして20―30代をターゲットにした業務用商品。小瓶で新しい飲用シーンを提案する狙いがある。

 若者はスポーツバーやクラブなどで仲間と一緒にお酒を飲む傾向がある。グラスを使わずに小瓶で乾杯し直接飲用するスタイルをイメージしている。

ワンコイン販売


 サッポロのドラフトワンは330ミリリットル缶と470ミリリットル缶で販売する。通常の350ミリリットル、500ミリリットルより少なめの容量で「ビール業界では珍しいサイズ」(広報担当者)。これを“お値打ちサイズ”と表現する。ここに価格戦略がある。

 一般に第三のビールの希望小売価格は350ミリリットル缶で145円ほど。これが酒類の量販店などでは100―110円で販売されている。サッポロの新サイズの場合、100円ほどのワンコインで販売される可能性がある。

お試し需要開拓


 また、キリングループのメルシャンは250ミリリットルの小容量ボトルを展開している。チリワインの「カッシェロ・デル・ディアブロ」「フロンテラ・プレミアム」など。「消費者にとって750ミリリットルのフルボトルはちょっと試すには抵抗感がある。グラスに2杯分のサイズなら手に取りやすい」(同社)と狙いを説明する。

 酒類の需要は“お酒離れ”などの厳しい市場環境が続いている。関係各社は需要開拓に余念がない。“小さめ”サイズという戦略もその一つだ。
(文=編集委員・井上雅太郎)

日刊工業新聞2019年4月2日

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