激戦の関西地銀、再編はまだ続く!?

他地域と提携も選択肢

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大阪市内で食材商談会を共催した近畿大阪銀の中前公志社長(右端=昨年11月)
 銀行界の激戦区とされる関西で、地元の各行が抜本的な経営改革を急いでいる。りそなホールディングス(HD)子会社の関西みらいフィナンシャルグループ(FG)は、傘下の地銀統合による競争力向上に挑む。京都銀行は総合的な金融サービス力を高め、池田泉州銀行は店舗の営業時間短縮や統合を早める。コスト削減や金利収益のテコ入れも急務。ほかの地銀も含め、生き残りをかけた知恵が試されている。(大阪・田井茂)

4月1日合併 


 関西みらいFGは傘下の関西アーバン銀行と近畿大阪銀行を4月1日に合併し、関西みらい銀行を設立する。残る傘下のみなと銀行も、2020年秋には基幹システムを関西みらい銀と統合。システムでは3行を完全に一体化し、合理化する。

 関西みらいFGは、りそな銀行が得意な不動産の売買情報や信託の事業も取り込むため18年に、りそな銀から学び始めた。「3行がそれぞれ海外取引などを支援する中小企業の顧客数は、一つになれば大きく増える。顧客同士が交流するチャンスも増える」。りそなHDの東和浩社長は関西みらいFGの相乗効果を高める事例をこう説明する。

 京都銀行は強みとする地元企業などの有価証券含み益が18年12月末に5295億円と、前年同月末比2327億円減少した。「引き続き高水準」(同行)だが、国債や株式の運用環境は向かい風が吹く。

他行突き放し


 17年に証券子会社を設立したのに続き、18年には遺言関連の信託業務も始めた。総合金融サービス体制を単独で築いて優位な競争力を引き続き保ち、他行の突き放しを図る。

 池田泉州銀は18年4月から、債券運用を減らし中小融資を地道に開拓する「本業回帰」に転じた。20年度までに30店舗で昼休みや店舗統合にも踏み切る。鵜川淳頭取は「『地銀は低金利で苦しい』と株式市場から評価してもらえない。店舗改革を前倒しする必要がある」と危機感を示す。

金利収益攻勢


 金利収益で反転攻勢をかける地銀もある。紀陽銀行は市場の大きな大阪府の南部で、営業4人が1チームを組む。むだな飛び込み営業を避け、借り換えや設備の資金需要がある中小を事前に入念に調査。的を絞り経営者の懐に飛び込んで迅速に審査し、既存取引先より高い金利で融資している。勉強会をたびたび開き、営業力も士気も高めようとする。

 日銀の山田泰弘大阪支店長は「関西の競合の厳しさは全国有数」と指摘する。業績の改善を見込めない地銀は、他地域の地銀も含む提携で打開を図る再編も予想される。

日刊工業新聞2019年3月29日

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