サッポロ、約30年ぶりビール大麦の品種切り替え

新品種「きたのほし」を開発

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北海道で契約栽培している全量を切り替える(ビール大麦「きたのほし」)
 サッポロビールは原料の一つのビール大麦を、2019年から北海道産についてビールの風味や泡の劣化を抑える新品種「きたのほし」(品種名・札育2号)に切り替える。サッポロが開発した新品種は、大麦が生成しビール老化の要因となる酵素「LOX―1」を持たない“LOXレス”が特徴。品種の切り替えは約30年ぶりとなり、今後、主力ビール「黒ラベル」などの商品に生かす。

 サッポロが北海道で契約栽培しているビール大麦の契約量は約5000トンと全国で最大の産地。同社はこの全量をきたのほしに切り替える。きたのほしは同社が1万種もの大麦からLOXレス品種を発見。これを従来品種「りょうふう」と交配し開発した。醸造品質や栽培特性はほぼ従来品種のままで、ビールの老化につながる物質や泡持ちに悪影響を生じる物質を生成する酵素活性を持たない。このためビール保存中の劣化を抑制し、泡持ちも良くできる。

 16年から小規模栽培による評価を開始。19年に北海道の富良野地区と網走地区で一般栽培に移行している。同品種の商業生産は国内で初となり、サッポロ向けは全量がきたのほしになる。LOXレスの麦芽はこれまで北米などから輸入したものを「黒ラベル」の原料として使用してきた。今後は国産のLOXレス麦芽の使用が可能になる。

 きたのほしは栽培体系が異なるため現状は北海道内だけの栽培に限られる。

開発したビール大麦「きたのほし」(左)と従来品種「りょうふう」

日刊工業新聞2019年3月21日

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