ゴーンなき新体制、明日3社がトップ会談へ。キーマンは誰だ?

 日産自動車、仏ルノー、三菱自動車の3社連合が、新たなスタート地点に立った。3社の経営トップに君臨してきたカルロス・ゴーン被告が“退場”し、連合のあり方を白紙から問い直す作業が求められる。日産はルノーの新会長を取締役会に受け入れ、まずは信頼関係を再構築。その後、三菱自、ルノーとともに連合を進化させるシナリオを描く。ウィンウィンという価値を共有し、着地点を見付けられるか。対話力が問われる。

 ルノーが、ゴーン被告の後任会長に仏ミシュラン最高経営責任者(CEO)のジャンドミニク・スナール氏が就く新体制を発表した24日。日産は臨時株主総会を4月中旬に開き、スナール氏を新取締役として迎える方針を示した。西川広人日産社長は「早い段階でルノーの新リーダーに我々の取締役会に加わってほしい」と語った。

 ゴーン被告は日産・ルノーに三菱自を加えた連合を約20年にわたって主導してきた。そのカリスマが逮捕され、連合が揺らぎだしたのは当然の帰結。ゴーン被告を解任するか否かで日産・三菱自、ルノーとで対応が割れ、取締役会同士の対話の機会が失われた状態で主導権争いが激化し、互いに信頼を削り合う事態に陥っていた。

 「大きなステップ」―。ルノーの新体制を西川社長はこう歓迎した。日産はルノーによる臨時総会開催を拒否してきたが、開催方針に転じ、スナール氏と同じテーブルを囲む環境を整える。スナール氏も「日産・三菱自との関係を落ち着かせる」と呼応した。まずは信頼関係の回復を最優先する。

 ただ、その先にあるゴーン後の連合の在り方を探る道のりは険しい。日産はルノーに資本面で支配される関係に不満を抱いており、西川社長は「日産がリーダーシップを発揮し、より積極的にルノーと三菱自とのシナジーを取りにいく姿勢が大事」とし連合での存在感アップに意欲を示した。

 一方、仏政府はルノーと日産を経営統合させる構想を日本政府に伝えたほか、日産会長にルノー側が指名する人物が就くことを希望しているとの報道もある。主導権争いの根っこは変わっておらず、株式の買い増しなど、どちらかが実力行使に出れば信頼関係は崩れ、連合が瓦解するリスクは高まる。

 月末には統括会社が拠点を置くオランダで、定例のトップ会談を開く見通しだ。連合の維持という共通認識をベースにどう関係を進化させるか。西川社長とスナール氏は我慢強く対話を重ねる必要がある。

明 豊

明 豊
01月30日
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明日(31日)、統括会社が拠点を置くオランダで日産の西川社長、三菱自動車の益子修CEO、そしてルノーからはスナール新会長が参加予定。今回はまずはお互いの出方を見る形になるのではないか。スナール氏がどこまでマクロン大統領の意向を忖度しているのかなど。ルノー側の新体制が決まったが、これから日産の交渉における手持ちカードは少ない。西川社長は自身の責任も含め進退に言及したが、交渉の事を考えると簡単に辞めることは難しいだろう。西川氏よりも経営トップの経験が長く、多くの修羅場を経験している三菱自の益子社長が案外、キーマンになるかもしれない。

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