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トヨタが主要サプライヤーだけに教えた世界生産の“参考値”

電動車は21年に300万台弱へ拡大
トヨタが主要サプライヤーだけに教えた世界生産の“参考値”

電動車にシフトするトヨタ(豊田章男社長)

 トヨタ自動車が2020年(暦年)に、ハイブリッド車(HV)などの電動車で235万台(19年計画比43万台増)の販売を計画していることが明らかになった。主要部品メーカーに伝えた。さらに、参考値として21年の販売計画で290万台強と、300万台に迫る数値を示した。トヨタの電動車販売は過去最高の更新を続けており、中国をはじめ各国・地域で厳しくなる環境規制などを踏まえて対応スピードを上げる。

 トヨタの電動車はHVのほか、プラグインハイブリッド車(PHV)や燃料電池車(FCV)、電気自動車(EV)を含む。ただ、部品メーカーに提示した計画数値の大半はHVが占める。

トヨタは18年に163万台の電動車を販売する見込み。今後、中国の新エネルギー車(NEV)規制や各国・地域の企業平均燃費(CAFE)規制などに応じて車種を投入していくため、電動車の販売が加速度的に増加する。トヨタは25年ごろまでにすべての車種に電動モデルを設定し、トヨタブランドのEVは20年の中国を皮切りに、20年代前半に10車種以上をインドや日本、欧米で販売する。

 電動車の生産計画は20年に245万台(19年計画比45万台増)の設定。参考値の21年は280万台に拡大する方針を示した。

 一方、20年の世界生産台数(ダイハツ工業、日野自動車を除く)は19年計画比16万台増の925万台に設定した。国内は消費増税による駆け込み需要の反動減などを織り込み同15万台減の322万台となるが、海外は同31万台増の603万台に増える見込み。合計の世界生産台数は過去最高を更新することになる。

 トヨタはこのほど発表した19年計画とは別に、主要部品メーカーに20年の単体の生産・販売計画と、参考値として21年の生産台数計画を通達した。21年の世界生産台数は950万台に設定。内訳として国内が19年計画比27万台減の310万台、海外は同68万台増の640万台を想定する。

 20年の世界販売台数も過去最高となる同21万台増の989万台に設定した。国内は同8万台減の149万台と、150万台を割る水準を提示。海外は同29万台増の840万台で、中国や欧州での伸びを見通す。
21年の世界生産台数は950万台に設定。国内は減り、海外伸びる
日刊工業新聞2018年12月19日

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