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「レクサスLS」vs「クラウン」vs「カムリ」

トヨタ、セダン復権への本気
「レクサスLS」vs「クラウン」vs「カムリ」

高級セダン「クラウン コンセプト」

レクサスLS」、「クラウン」、「セダン」ー。お好みに応じて新型セダンを。

 トヨタ自動車は27日に開幕する「第45回東京モーターショー」で、高級車ブランド「レクサス」ブースにおいて今秋に全面改良して発売する旗艦セダン「LS」などを出展する。

 「LS」は1989年に初代モデルが発売され、新型で5代目となる。なめらかでパワフルな走りや静粛性、快適性などが好評を得てきた。新型は予防安全パッケージ「レクサス・セーフティー・システム+A」など、先進の安全技術を搭載している。

 また、市販モデルを2018年夏頃に発売する高級セダン「クラウン コンセプト」も東京モーターショーで初公開する。クラウンの全面改良は2012年12月以来で、新型は15代目となる。新設計思想「TNGA」の適用やドイツのニュルブルクリンクでの走行テストの結果を走行性能に反映した。

 クラウン コンセプトは全長4910ミリ×全幅1800ミリ×全高1455ミリメートル。ホイールベースは2920ミリメートルで、乗車定員は5人。展示車はハイブリッド車(HV)仕様を想定する。TNGAで車台などを一新したほか、ニュルブルクリンクでのテストも通じて荒れた路面などでの走行安定性を高めた。

 市販モデルには車載通信機を全車標準装備し、コネクテッドカー(つながる車)の技術・サービスの展開を本格化する。協調型安全運転支援システム「ITSコネクト」の普及も後押しする。

 一方、7月に発売した新型「カムリ」は上々の滑り出し。エンジンや変速機などのパワートレーンも含めてトヨタの新設計思想「TNGA」を全面導入した第1弾車種。国内ではハイブリッド車(HV)仕様のみ。販売チャンネルは従来のトヨタカローラ店のほか、トヨペット店、ネッツ店の3チャンネルに広げた。

 今やトヨタのクルマづくりのキーマン、吉田守孝専務役員は「新型カムリで『セダン復権』を目指す」と意気込む。

 かつてはレクサスのチーフエンジニアも務めた吉田氏。「セダンは私にとって憧れの1台だった」と振り返る。しかし今はスポーツ多目的車(SUV)人気に押されて低迷。
 
 今回、車台やパワートレインなどすべて一新し、「わくわくどきどきする車に仕上がった。若い人だけでなく、80年代のカーライフを楽しんだ人にも乗ってほしい」と話す。
日刊工業新聞2017年10月5日の記事を加筆・修正
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
新ブランド「GR」を立ちあげスポーツカーシリーズも一新、EVもマツダなど(スズキやスバルも加わるかも)と組み一気に動き出した。「トヨタでもおもしろいクルマをつくれると示したい」と話す豊田章男社長。変わる“1000万台トヨタ”の姿をモーターショーで垣間見ることができるか。

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