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社内で“茶飲みケーション”、主任クラスがターゲットの理由は?

日立ソリューションの働き方改革、開始約1カ月で1000人利用
社内で“茶飲みケーション”、主任クラスがターゲットの理由は?

主任クラスを起点に社内全体でコミュニケーションを気軽にとれる環境を整備する

**小休憩「話す機会」に
 日立ソリューションズは、働き方改革の新たな取り組み「茶飲みケーション」を拡大する。茶飲みケーションは約2000人いる主任が主催し、上司や同期社員、部下を誘いコミュニケーションを活性化する。食堂など所定の場所に無料の飲料やお菓子を会社が設置する。リフレッシュや小休憩などでも使える。11月から始め、東京と横浜の拠点では約1カ月間で延べ1000人の利用があった。12月から中部・関西事業所でも実施する。

 茶飲みケーションは、30―40代の業務に忙殺されやすい主任クラスを起点に、社内全体でコミュニケーションを気軽にとれる環境を整備することが目的。主任には1週間に1回の利用を求めている。まずは2019年1月までをトライアル期間として設定。今後、主任向けアンケートを実施し利用状況を把握するほか、2月には茶飲みケーションの実施前と比べた変化を調査して、継続の可否を判断する。

 「日立グループが実施する社内向け満足度調査では主任クラスに元気がなかった」と、人事総務本部の小山真一部長代理は取り組みのきっかけを明かす。主任は実務に追われ、コミュニケーションや小休憩を取りにくい。この解消を目的に、16人の主任や課長を集めて議論するワーキンググループ(WG)を設置。WGで社長への提言を行い、11月から茶飲みケーションの社内展開を始めた。

 同社ではこれまでも、幹部と課長クラスの会合「幹部塾」のほか、20―30代の若手が発案したポイント制度で褒め合う「ソルメイト」などを通じてタテ、ヨコ、ナナメのコミュニケーションの円滑化を推進してきた。コミュニケーションを活性化することは、16年から「カエルキャンペーンmotto」として取り組んでいる同社の働き方改革の柱の一つ。「話す機会が増えると組織として連携がとれ、強みが増す」と小山部長代理は重要性を語る。

 茶飲みケーションが成功した場合は、次の施策として“社内カフェ”の設置も検討していく。
(文=川口拓洋)
日刊工業新聞2018年12月5日

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