技能実習生が活躍できる企業の心構えとは?

中小製造業では技能実習制度のさらなる活用が見込まれている

 アルミニウム部品などを製造するミズノマシナリー(富山市、水野文政社長、076・466・9233)は定期的に中国から技能実習生を受け入れている。中小製造業の多くが採用難に悩む中、同社も実習生に技能を学ぶ場を提供しながら、人手不足気味の製造現場を回している。

 マシニングセンター(MC)や旋盤といった工作機械を駆使し、半導体製造装置向けのアルミ部品や建機向けの油圧機器部品などをつくる同社の製造現場。現在は9人の中国人実習生が、機械への加工対象物(ワーク)の脱着やボール盤などによるワークのバリ取り作業をし、技能の習熟にいそしむ。

 「実習生が入って仕事が流れるようになり、ずいぶん助かった」と水野社長は語る。技能実習制度を使い始めたのは20年ほど前。当時から「学生のアルバイトを入れるのにも苦労した」という。時には派遣会社も活用したが、機械加工経験がある派遣社員は少なかった。一方、実習生は加工経験を持つ条件で募集すれば即戦力に。中には、故国に戻って軸受製造の会社を興すぐらいに成長した実習生もいたほどだ。

 人手不足が一層深刻になる中、同社のように実習生を受け入れる中小製造業は「もっと増えるのではないか」と水野社長はみる。ただ、「『働き手が来たので好きなように使えばいい』というのはだめ」と安易な考えからの利用にはクギをさす。

 「当たり前の話だが、人間性を尊重するのが大事」と水野社長。例えば、作業に失敗しても、実習生個人を責めるのではなく、作業者全員の勉強会で、簡単な日本語を使って説明をする場を設ける。

 「彼らにもプライドがある。それをうまく認めながら早く技術を覚えてもらう」ことが、実習生との付き合い方のコツという。
(文=富山支局長・江刈内雅史)

日刊工業新聞2018年11月27日

  

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