レノボ・ジャパン社長が語る、働き方改革を追い風に切った舵

デビット・ベネット社長インタビュー

 設計エンジニアやクリエーターなどが使用する高性能のパソコン「ワークステーション」。従来はデスクトップ型が中心だったが、近年は働き方改革の機運もあり、持ち運びができるノート型(モバイル型)の需要も伸びている。その中で存在感を高めているのがレノボ・ジャパン(東京都千代田区)だ。法人向けノートパソコン「シンクパッド」ブランドを武器に、モバイル型の普及にかじを切り始めた。デビット・ベネット社長に戦略を聞いた。

 ―ワークステーションの市場動向をどのように見ていますか。
 「年間約25万台とされる市場規模の中で、当社は2017年に20%以上の高い成長率を達成することができた。現在の市場シェアは3位だが、トップにかなり迫っている。今後も市場が堅調なことを考慮すれば、1位を狙える」

 ―「シンクパッド」をモバイルワークステーションでも展開しています。
 「顧客から『ワークステーションでやっとシンクパッドが出てきた』という声があるように、競合他社の製品から代替ニーズに応えることができるようになった。シンクパッドの品質やデザインを犠牲にせずに、ワークステーションで要求されるパフォーマンスも高く評価されている」

 ―働き方改革の機運も後押ししています。モバイル型で働く環境はどのように変わるのでしょうか。
 「例えばワークステーションを使う業種では、社内でオフィスなどの固定された場所で長時間働くことがまだ多い。ただ、海外ではエンジニアらがパソコンを片手にオフィス以外のリラックスできる場所で働くスタイルが既に進んでいる。日本でもモバイル型の浸透によって、どこでも誰とでもスマートに働く環境が整備されると思う」

 ―ただ、日本市場では圧倒的にデスク型が多いです。
 「デスク型の構成比率が約85%を占める現状の市場をみると、まだまだワークステーションに対する考え方が遅れていると感じる。特に大きな仕事をするには、デスクトップが欠かせないという考えがユーザーには根強い」

―どのように変えていきますか。
 「18年も既にシンクパッドから『P1』を投入するなど、モバイル型の普及に力を入れたい。実際にモバイルを使ってユーザーがスマートに働く経験が増え、さらにテレワークなど働き方の多様化に伴い、流れは変わる。挑戦的な目標だが、ワークステーションの構成比率が50%ずつ対等になるようにモバイルの普及に取り組みたい」
(聞き手・杉浦武士)

日刊工業新聞2018年10月23日

日刊工業新聞 記者

日刊工業新聞 記者
10月24日
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モバイルワークステーションの役割は働き方改革だけにとどまらない。ベネット社長は「エンジニアがスマートに働く姿が当たり前になれば、モノづくりに憧れる若者も増えるのでは」と期待する。少し過大な表現かもしれないが、変化は意外な所からやってくるもの。ワークステーションが若者の憧れの製品になれば、モノづくりの世界を変える一助になるかもしれない。
(日刊工業新聞社・杉浦武士)

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