独走iPhoneの国内スマホ市場、2番手グループで抜け出すのは?
「アローズを残しつつ、中国や韓国勢が日本市場開拓の武器に」
富士通がパソコンに続き、携帯電話事業も売却する方向で調整を進めている。パソコンと携帯電話・スマートフォンは、メーカー間の技術の差が薄れ、規模の競争が加速している。スマホにおいても、市場の先駆者である米アップルが、後発の中国ファーウェイに出荷台数で僅差に迫られ、3位になりかねない事態となっている。
17年4―6月期の両社の世界シェアの差は0・7ポイント、出荷台数の差は約260万台。業界では従来、同時期の新製品投入が避けられてきたが、ファーウェイが新型iPhoneにぶつけて新製品を投入するという海外報道もあり、業界の構造は激変しつつある。
一方、日本市場には世界と違う独特のトレンドがある。スマホの世界シェアではアンドロイドOS端末がiPhoneを大きく引き離しているが、日本市場ではiPhoneが圧倒的な人気を誇り、2―5位は日本勢が独占。
パソコンは米HPや中国レノボ、米デルなどの世界大手が高いシェアを持つが、それでも日本勢が一定のシェアを維持している。日本市場は大きな成長は見込めないが、安定した規模があるため、海外勢はシェア獲得を虎視眈々(たんたん)と狙っている。
中国レノボがNEC、富士通と相次いで日本メーカーのパソコン部門をグループ化しているのもその現れだ。メーカー間の技術の差が狭まり、コスト競争力がモノを言う中、規模を拡大すれば、調達コストを下げられる。
スマホでもシェア獲得のため、同様のことが起きても不思議ではない。富士通の携帯電話事業の売却先について、「国内ブランドであるアローズを残しつつ、中国や韓国勢が日本市場開拓の武器にする可能性もある」(MM総研の横田英明常務)との見方もある。
こうした中、世界大手の傘下に入らず、生き残り策を講じる日本メーカーもある。例えば、マウスコンピューター(東京都中央区)の低価格パソコンを支えるのは、小回りを生かした徹底した在庫管理などだ。VAIO(長野県安曇野市)は製品管理で利益率を高めつつ、再度海外事業の拡大へかじを切り始めた。
また、コンピューター技術などを生かした関連機器の強化も活発だ。ソニーは、耳に装着してハンズフリー通話ができる「エクスペリア イヤー」を発売。マウスコンピューターは、家庭用IoT(モノのインターネット)機器を販売する。
もう一つ、パソコンとスマホの垣根が低くなっていることも、今後の競争に影響しそうだ。特に政府の推進する働き方改革では、モバイル性の高いパソコンが求められる。
スマホ大手のファーウェイはこれを商機ととらえ、16年にパソコン市場へ参入した。スマホと共通の技術や部品を利用できる上、開発投資を拡大できる。市場構造が変わる中、再編の波に乗るか、日本メーカー各社の戦略が注目される。
17年4―6月期の両社の世界シェアの差は0・7ポイント、出荷台数の差は約260万台。業界では従来、同時期の新製品投入が避けられてきたが、ファーウェイが新型iPhoneにぶつけて新製品を投入するという海外報道もあり、業界の構造は激変しつつある。
一方、日本市場には世界と違う独特のトレンドがある。スマホの世界シェアではアンドロイドOS端末がiPhoneを大きく引き離しているが、日本市場ではiPhoneが圧倒的な人気を誇り、2―5位は日本勢が独占。
パソコンは米HPや中国レノボ、米デルなどの世界大手が高いシェアを持つが、それでも日本勢が一定のシェアを維持している。日本市場は大きな成長は見込めないが、安定した規模があるため、海外勢はシェア獲得を虎視眈々(たんたん)と狙っている。
中国レノボがNEC、富士通と相次いで日本メーカーのパソコン部門をグループ化しているのもその現れだ。メーカー間の技術の差が狭まり、コスト競争力がモノを言う中、規模を拡大すれば、調達コストを下げられる。
スマホでもシェア獲得のため、同様のことが起きても不思議ではない。富士通の携帯電話事業の売却先について、「国内ブランドであるアローズを残しつつ、中国や韓国勢が日本市場開拓の武器にする可能性もある」(MM総研の横田英明常務)との見方もある。
こうした中、世界大手の傘下に入らず、生き残り策を講じる日本メーカーもある。例えば、マウスコンピューター(東京都中央区)の低価格パソコンを支えるのは、小回りを生かした徹底した在庫管理などだ。VAIO(長野県安曇野市)は製品管理で利益率を高めつつ、再度海外事業の拡大へかじを切り始めた。
また、コンピューター技術などを生かした関連機器の強化も活発だ。ソニーは、耳に装着してハンズフリー通話ができる「エクスペリア イヤー」を発売。マウスコンピューターは、家庭用IoT(モノのインターネット)機器を販売する。
もう一つ、パソコンとスマホの垣根が低くなっていることも、今後の競争に影響しそうだ。特に政府の推進する働き方改革では、モバイル性の高いパソコンが求められる。
スマホ大手のファーウェイはこれを商機ととらえ、16年にパソコン市場へ参入した。スマホと共通の技術や部品を利用できる上、開発投資を拡大できる。市場構造が変わる中、再編の波に乗るか、日本メーカー各社の戦略が注目される。
日刊工業新聞2017年8月29日