木材の活用で山間地域の活性化を!

銘建工業、「CLTの認知度を高めていきたい」

端材・木くずなど、副産物も発電用燃料に


 銘建工業(岡山県真庭市、中島浩一郎社長、0867・44・2695)は、集成材工場などで生じる木質の副産物を、社内の発電用燃料に使う取り組みを30年以上続けている。現在は木質ペレットも生産し、売電を合わせた収入は全売り上げの5%を占める。さらに、国内森林資源を活用した新たな木質構造材の量産も開始。木材の需要創出を山間地域の活性化につなげたい考えだ。

 岡山県真庭市に四つの工場と物流センターを構え、集成材を核に住宅用木質構造材を生産する。集成材の生産量は国内トップクラスで、主に一戸建て住宅の柱や梁(はり)に使われ、工務店などに販売する。17年に出荷した集成材は約34万立方メートル。国内で安定調達できる量ではないため、スウェーデンなど欧州から輸入する。

 製造過程で生じる端材や細かい木くず(プレーナーくず)など副産物の量は、1日約200トンと膨大だ。1984年に出力175キロワットの木質バイオマス発電所を設け、副産物の有効利用を推進してきた。

 現在は、本社工場で98年に稼働した出力1950キロワットの木質バイオマス発電所用に1日約80トンから90トン、ジョイント工場と大断面工場の蒸気ボイラの燃料などに同10トンを利用する。さらに、2004年から木質ペレットも生産。本社工場とジョイント工場に合計4台の木質ペレット製造機が稼働し、同70トンから90トンの副産物を原料として利用する。

 ペレットの生産量は年間2万8000トン。全量を外販しており、岡山県内外でペレットストーブや温水ボイラ、発電などの燃料として使われる。また、バイオマス発電の電力は、工場で電力を使わない夜間などは電力会社に販売する。

 副産物を利用した木質ペレットと売電による売り上げは、17年12月期の売上高の5%を占め、副産物の有効利用という枠を超え、一つの事業に成長した。副産物の有効活用は工場のコスト低減にもつながり「企業の競争力強化にも貢献している」(中島洋総務部担当部長)。

 国内の住宅着工戸数が低迷する中でも、売上高は17年12月期に267億円と、5年前の12年12月期の159億円から約7割拡大した。

 原料として使用する木材に国産材を使う取り組みも始めた。「CLT」という木材の板を繊維の方向が直交するように積層接着した木質構造用材料で、原料は高知県や熊本県などの国産の杉を使う。16年に建築基準法に基づく告示が公布・施行され、CLTを使った建築物も個別に大臣認定を受ける必要がなくなった。

 そこで、同じ年に量産工場を立ち上げ、本格的な事業展開を始めた。これまでに共同住宅や社員寮、保育園などでCLTを使う事例も出ている。ただ、17年の生産量は1万トン。工場の生産能力3万トンで余力がある。「CLTの認知度を高めていきたい」(同)と一般消費者へのPRを行うほか、CLTを使った建築物を設計、施工できる会社を増やしていく方針だ。
(文=岡山支局長・大櫛茂成)
生産する木質ペレットは年間2万8000トン

日刊工業新聞2018年10月10日

  

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