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セントラル警備保障のスゴい画像監視センター

セントラル警備保障のスゴい画像監視センター

CSP画像センターの内部。24時間体制で監視員を配置

 セントラル警備保障(CSP)はリアルタイムで防犯カメラの画像を監視することで、事件や事故などを未然に防ぐ画像センター(さいたま新都心)を2017年に開設した。画像を用いたサービスに特化した拠点で、約3000台のカメラを管理する。あらゆるIPカメラに対応できるのが最大の特徴だ。新技術を取り込みながら、画像解析技術の向上を図る。

 画像センターでは、24時間体制で監視員を配置する。異常を検知すると、北海道から福岡まで全国10カ所の担当指令センターに通知する仕組みだ。

 CSP画像センターの主なサービスは、画像解析サービスと画像巡回サービスの二つ。画像解析はさらに大きく二つに分類される。一つは、防犯カメラの画像を通じて侵入を検知する「侵入検知」で、もう一つは、駅や雑踏の中から病人や酔っぱらい、不審物を検知する「行動検知」だ。画像巡回サービスは、警備員の代わりに画像センターから定期的に防犯カメラの画像を遠隔監視するもの。人が巡回するのと同様の巡回サービスを低コストで利用できるのがメリットとなる。

 国内外のさまざまなメーカーのIPカメラに対応しており、どの機種でも、画像解析システムを利用することができる。既設カメラでも対応可能で、画像センターのサービスを利用するために専用カメラを設置する必要がなく、顧客にとっては使いやすい。また費用削減にもつながる。

 CSPは5年ほど前にJR横浜駅の監視カメラに画像解析システムを導入し、事件や事故の予兆を検知しながら、データを蓄積してきた。このデータを基に、独自のアルゴリズムで、行動解析し、異常検知するシステムを構築した。

 例えば、一定時間以上ベンチに置かれたままのかばんを不審物として検知するほか、病人や酔っぱらいについては、身体が揺れる動きなど、変化を検知する。南沢千春執行役員は「人の行動にはいろいろなパターンがある。公道において百人百通りの可能性があり、新技術を取り込みながら画像解析の精度を上げていきたい」と話す。今後さらに、国内外の最新技術を取り入れながら、ニーズに合ったサービスを提供する。

 あらかじめ設定したエリアに侵入すると警報が鳴るような侵入検知はすでに広く普及しており、工場や中古車販売会社、車両基地などでも導入されている。一方、CSPが目指すのは、雑踏の中から異常行動を検知して不審者を見つけ出す行動検知だ。「雑踏の中で人が倒れているのを発見する」といったように、画像から人の動作を識別して事件や事故の未然の防止につなげる。南沢執行役員は「今後はサービスよりの警備が増えていくだろう」と話す。
(文=高島里沙)
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
CSPでは、こうしたシステムの改良を進め、あらかじめ警備対象に設定されているハードターゲットだけでなく、大勢の人が集まる駅やイベントなどソフトターゲットの警備の強化につなげる。 (日刊工業新聞社・高島里沙)

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