宅配弁当や凍る炭酸飲料、ちょっと変わった自販機が続出中

飲料メーカー各社が知恵絞る

  • 0
  • 0
サントリービバレッジソリューションの「宅弁」
 新しい機能を備えた自動販売機が相次いで登場している。飲料を買うだけでなく、宅配弁当が買えたり、防犯カメラを内蔵したり、購入した飲料を開けると凍り出すなど、それぞれちょっと変わった機能が目を引く。国内の飲料市場のうち、自販機のチャンネルが3割近くを占めるとされており、飲料メーカー各社はこの基盤の強化に知恵を絞る。今後、どんなサービスが新たに開発されるか注目を浴びている。

 自販機で宅配弁当を注文できる法人向けサービス「宅弁」を開始したのは、サントリーグループのサントリービバレッジソリューション(東京都中央区)とぐるなび。

 企業内に自販機を設置し、社員が料金を投入すると、弁当を注文できる。ぐるなびがコーディネートした近隣の飲食店が注文を受け、お昼に配達する仕組み。注文時に自販機から出てくる購買証明コインと交換に、弁当を受け取る。コインで自販機の飲料を割安に購入することもできる。

 サントリーは法人顧客を開拓するとともに、自販機の売り上げ向上も狙う。ぐるなびは飲食店と連携した取り組みを拡充する。

 キリングループのキリンビバレッジバリューベンダー(東京都中野区)は、警視庁西新井署と連携し、小型カメラを内蔵した「みまもり自動販売機」の設置を始めた。

 自販機に新開発の小型カメラを内蔵し、商品サンプルの小さな穴から広角で鮮明な映像を記録できる。年内に同署管内の30カ所に設置を予定する。地域貢献活動の一環の取り組みで、新井裕明執行役員は「犯罪の抑止などに協力したい。今後、検証しながら設置の拡大を検討する」と期待を述べた。

 購入した飲料が凍り出す専用の自販機を投入したのは、アサヒ飲料だ。炭酸飲料「三ツ矢サイダー」を凍る直前のマイナス5度Cまで冷やせるのが特徴。同じ自販機で通常の温度帯商品も提供できる。

 購入したサイダーをすぐに開けると中身がシャーベット状に凍り出す「フリージング現象」が起こると話題だ。凍る寸前の液体が過冷却により凍るという。「“キンキン”に冷えた三ツ矢サイダーを驚きとともに楽しんでもらいたい」(広報部門)とPRする。6月末までに約280台を設置しており、本格的な夏場に向けさらに設置を拡大する方針だ。
(文=井上雅太郎)

日刊工業新聞2018年7月18日

COMMENT

葭本隆太
デジタルメディア局
ニュースイッチ編集長

個人的にはマイナス5度Cまで冷やせる自販機が気になります。暑い日が続くこの夏は特に需要も大きそう。ちなみに従来のコールドの温度帯(約5度)と氷点下の温度帯(マイナス5度)を1台で提供する自販機は富士電機とアサヒ飲料の技術研究所が約5年かけて共同開発したそうです。

関連する記事はこちら

特集