スタバや星野リゾートともコラボ…伝統工芸品「津軽びいどろ」工房のスゴさ

北洋硝子、探究心と情熱を原動力に

 北洋硝子(青森市)は、青森県指定伝統工芸品「津軽びいどろ」を唯一製造している硝子工房。25名の職人のうち青森県伝統工芸士が3人在籍する実力ある企業だが、平均年齢は30歳と若く活気がある。

 「技法を多く覚えればできる仕事も増えるが、無理強いはしない。職人たちの向上心を汲み、良いところを伸ばす方針」と優しい物腰の中川洋之工場長だが、100色以上の色開発や技法研究で約1000種の製品を販売する探究心と情熱は先代から受け継ぐ会社の原動力だ。

 今日も職人たちはそれぞれの力を活かし、津軽びいどろを生み出している。NEBUTAシリーズは、「青森ねぶた祭り」をイメージした作品。8色の色使いで色彩豊かなねぶたを表現していたが、2010年から採用され始めたLED電球の影響でねぶたの印象が白くなったことを受け、作品にも白を追加し現在の印象に近づけた。

 伝統技術に時代に合った調整を施したこの作品は、「日本が誇るべきすぐれた地方産品」としてThe Wonder500に3年連続で選出されている。

 他企業との連携にも積極的だ。現在、青森県内に3つのホテルを構える星野リゾートは、その全てのホテルで北洋硝子の硝子製品を採用。中でも青森の文化体験をテーマにした「星野リゾート 青森屋」は、温泉施設「元湯」に津軽びいどろを取り入れて改装、4月から公開した。浴場の窓にはめ込まれた5色、約100枚の硝子が湯船に映り込む。湯上がり処には浮玉の照明が揺らめき、身も心も温まる空間となった。

 スターバックスコーヒーの地域限定商品「JIMOTOmadeシリーズ」では、青森の四季を表現した4種類のグラスを共同開発し、17年から約5000個を販売。海外からの問い合わせも多いが、限定店舗のみでの販売を継続。「硝子が表す青森の自然を直に感じて、購入していただけたら嬉しい」と中川工場長は語る。

 北洋硝子は、49年に創立し、主に漁業用の浮玉を製造していた。その技法の一つである「宙吹(ちゅうぶ)き」を用いて77年に誕生させたのが、「津軽びいどろ」。青森の自然をイメージさせるハンドメードガラス。グラスやオブジェなど多様な商品ラインアップで、ライフサイクル全般に豊かな彩りと季節感を演出している。
青森県伝統工芸士の芳賀清二さん(右)と棟方定正さん

スターバックスとコラボした

「星野リゾート 青森屋」の温泉施設に利用されている(星野リゾート提供)

津軽びいどろの浮玉照明(星野リゾート提供)

「星野リゾート 青森屋」の外観(星野リゾート提供)

日刊工業新聞2018年6月22日

日刊工業新聞 記者

日刊工業新聞 記者
06月22日
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他企業とのコラボレーションはもちろん、営業部、デザイナー、職人で頻繁にミーティングを行ったり、他企業から技術を継承したりと商品開発に大変熱心で、若い人が集まる理由を肌で感じられました。
(日刊工業新聞社・成田麻珠)

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