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ガス小売り全面自由化による競争激化時代の生き抜き方

東邦ガス、修理受付年中無休にテレビCMも
ガス小売り全面自由化による競争激化時代の生き抜き方

トラブル対応サービスをレンジフードにも拡大

 東邦ガスは、2017年のガス小売り全面自由化による競争激化の時代を生き抜くため、サービスやCMを強化している。修理対応時間の延長やガス機器以外への範囲拡大、同社では初めてのタレントを用いたテレビCMと、競争力やイメージの向上を急いでいる。価格競争だけでは体力勝負になりかねないだけに「価格とサービスを合わせた総合力で顧客に選んでもらう」(冨成義郎社長)方針だ。

 水回りなどのトラブル対応で駆けつけるサービス受け付けを24時間・365日可能にした。現地での作業対応時間を「帰宅後の入浴時間を考慮して」(竹井洋一リビング計画部長)21時まで延長した。

 サービス範囲も従来の水回り、窓ガラス、玄関の鍵に加え、3月に電気設備やエアコン、レンジフードに広げた。電力の小売り全面自由化で、同社も電力小売りに参入したこともあり、対象に加えた。「一定のニーズはあったが、実際にどれだけあるかはやってみないと分からなかった」(同)と手探りではあったが、暖房の使用頻度が高い寒い日を中心に、多くの問い合わせがきた。

 「サービスの内容や料金で手応えを感じている」(冨成社長)と、当面は180拠点、約3000人の体制を維持する。多能工化などを進め、一層のサービス拡充につなげる。

 料金については「価格改定の計画はない」(同)と当面は静観の構え。ガスを使う既存顧客が、電力も東邦ガスに切り替えればメリットのあるセットプランを中心に、さらなる浸透を図り、顧客増につなげる。

 テレビCMは元プロ野球選手の山本昌さんやタレントの相田翔子さんを用いて「ガストライク」のキャッチフレーズの下、認知度向上を図っている。従来は内容ごとに個別に制作し「同じ会社と捉えられにくかった」(竹井部長)ため、複数のパターンを、統一感を持ってアピールする。タレント起用による効果は大きく、顧客が知らなかったほかのサービスの認知度も高まっているという。

 自由化で、中部北陸地区で5月末までに、約14万件が契約変更している。「ちょっと(ペースが)速く、重く受け止めている」(冨成社長)と捉えている。営業利益ベースで年間10億―10数億円規模のマイナス要因となり、これ以上の流出はできるだけ抑えたい。

 今後は「奇をてらうのではなく、得意分野をしっかりやる」(竹井部長)。サービス拡充で顧客との接点機会を増やすと同時にさらなるニーズを聞き、「生活全般の困りごとをお手伝いする」(同)。

日刊工業新聞2018年6月15日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
子会社の東邦ガスリビング(名古屋市熱田区)を中心とするリフォーム事業も含め、サービスの幅を広げる。 (日刊工業新聞社名古屋支社・市川哲寛)

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