大阪ガスVS関西ガスの顧客争奪は“第二ラウンド”

7月に新料金メニュー

 大阪ガスは5日、関西電力に対抗し7月1日に新料金メニューを投入し電気料金を引き下げると発表した。関電と比べ、家庭向けは最大約5%安くなる。関電は電気料金を現行比平均5・36%の引き下げを発表済みで大ガスは7月以降も価格差を維持する。関西地区は2017年8月の関電値下げ以降も、新電力や他の電力会社が相次ぎ参入。関電と大ガスを含む新電力の顧客獲得競争の第2ラウンドが7月1日に始まる。

 大ガスの電気新料金メニューは、大阪ガスの電気に変更する顧客は月間使用量370キロワット時の家庭用モデルケースの場合、関電の標準的な従量電灯Aに比べ年間約5・0%、業務用は大阪ガスの従来料金に比べ同2500キロワット時で8・2%の値下げになる。引き続き顧客争奪戦を有利に進めていく。

 大ガスの家庭向け電気契約数は6月4日時点で約68万件を獲得。21年3月末の契約目標の70万件を目前に控え、大ガスの本荘武宏社長は「できるだけ早い達成を目指す」と意気込む。大ガスの首都圏の電力販売は中部電力と共同出資するCDエナジーダイレクト(東京都中央区)に移行し関西地区の販売に集中する。約200カ所のガスサービスショップなどを強みに対面営業で顧客を増やす。

 関西地区のスイッチング(顧客の電力契約先の変更)数は155万6600件(4月末時点)。新電力の契約数は大ガスの68万件をはじめ伊丹産業(兵庫県伊丹市)の約3万件、Looop(東京都台東区)の約2万件の獲得などが目立つ。

 これら新電力も関電と大ガスの値下げに追随予定だ。伊丹産業は液化石油ガス(LPガス)の既存顧客にガスと電気のセット割引などを提案し、18年度の契約数の目標を現行比2万件増を掲げる。

 他の大手電力会社も関西に注力し、東京電力エナジーパートナーは、顧客が多い電力使用量の少ない従量電灯Aの契約者向けメニューなどを投入する。中部電力は関西地区に拠点を持つ中部の法人顧客などを開拓。将来は家庭向け電力を販売する方針だ。

 その中で関電は国内最大出力級の大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)の再稼働による収益改善効果を最大限利用し、値下げする。関電の岩根茂樹社長は「新電力と負けない料金になった」と、顧客巻き返しの意気込みは強い。

日刊工業新聞2018年6月6日

日刊工業新聞 記者

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06月10日
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大手企業が安定供給の観点から関電との契約継続が目立つ中、中堅以下の企業や飲食店、一般家庭などの取り込みが、各社の顧客獲得の焦点になる。
(日刊工業新聞社大阪支社・香西貴之)

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