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上場企業の年収トップ10、半数を占めた業種は?

総合商社強し。全体の伸び率は鈍化
 東京商工リサーチは2017年の上場2681社の平均年間給与が前年比0・6%増の599万1000円だったとする調査結果をまとめた。11年の調査開始以来、6年連続で増加したが、増加率は2年連続で前年を下回っている。1622社で従業員数が増えており、積極的な採用が伸び率の鈍化の一因とみられる。

 上場2681社のうち、平均年間給与が前年より増えたのは1614社と全体の60・2%を占めた。一方、減少は1048社、横ばいは19社だった。平均給与の「増加」企業数は6割を占めたが、社数は47社減少した。一方で「減少」は47社増えており、明暗を分けた。

 業種別の最高は建設業で前年比2・7%増の695万3000円となった。これに、前年トップだった不動産業が同0・2%減の675万5000円、原発事故や電力値上げなどで給与の一部をカットしていた電力各社が復活した電気・ガス業が、同2・8%増の673万4000円と続いた。最低は7年連続で小売業の同0・8%増の475万円。建設業とは1・4倍の差があった。

 企業別では、M&A(合併・買収)助言会社のGCAが1559万円と、4年連続で首位だった。上位10社以内に三菱商事など総合商社が5社と半数を占め、次いで、M&A助言2社、放送、不動産、工作機械が各1社と、総合商社の高額さが目立つ。

 国税庁の「民間給与実態統計調査結果」によると、16年の平均年間給与は421万6000円と、上場企業と約1・2倍の開きがある。
                  
日刊工業新聞2018年5月30日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
M&A仲介は事業承継などもあってすごい資金が動いてますね。

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