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ブルボンのビスケット、配送を鉄道コンテナにする分岐点

2016年度の使用量は01年度の約4倍に
ブルボンのビスケット、配送を鉄道コンテナにする分岐点

31フィートのコンテナでさらなる大量輸送に取り組む

 ブルボンは、長距離の製品配送で鉄道の利用を増やしている。最新統計である2016年度の鉄道コンテナ使用量は01年度の約4倍。12年度比でも1・62倍だ。トラック輸送で懸念される二酸化炭素(CO2)の排出削減という環境面はもとより、ドライバー不足の影響を受けない安定した製品輸送に、鉄道が寄与している。大型コンテナの利用も始め、鉄道輸送がより大きな役割を果たそうとしている。

 同社が鉄道コンテナを使い始めたのは、創業から7年後の1931年(昭6)と古い。創業者の吉田吉造氏が国鉄に上申し、翌32年には新潟県柏崎市から東京・秋葉原まで鉄路で輸送。以降、鉄道を積極活用している。

 現在鉄路で運ぶのは、本社の柏崎市から500キロメートル以上離れている北海道や岡山県以西で売る製品が中心だ。積載量5トントラックの荷台部分とほぼ同じ容量の12フィートコンテナに、製品の入った段ボールを内包する。製品にはビスケットや米菓などが多く、パッケージにはバーコードもあるため、砕けたり印刷が汚れたりしないように運ばなければならない。

 そこで、決まった重量と体積を保ちながら、コンテナ内のデッドスペースをなくして安全に輸送できるよう開発した社内システムが活躍する。製品の積み方やコンテナ内で衝撃吸収に働く養生材にも工夫を凝らしている。09年以前はパッケージの印刷が擦れるなどの事故が時折発生していたが「物流事業者などと協議をして改善し、今では発生件数が減り、トラック輸送よりも少ない」と山口寿物流管理課課長代理は胸を張る。

 鉄路で一度に運べる12フィートコンテナの数は100基。10トントラック40台分に相当する。必要な人員が40分の1になるほか、CO2の排出量も10分の1に減らせる。さらなる大量輸送を進めるべく、10トントラックと同等の量を詰める31フィートコンテナの使用も始めた。同コンテナはパレット輸送も可能で、大量輸送と荷役作業の効率化が図れるなどの効果をもたらしている。
日刊工業新聞2018年5月30日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
今後は、16年に参入したアイスクリーム製品の輸送にも活用する方針だ。 (日刊工業新聞社新潟支局・山田諒)

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