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三菱商事、三菱自へのTOBが意味するもの

商事の自動車事業強化に対する危機意識の表れ
三菱商事、三菱自へのTOBが意味するもの

ゴーン会長(左)と益子修CEO

 三菱商事は21日、三菱自動車株式に対するTOB(株式公開買い付け)が成立したと発表した。三菱商事の出資比率(議決権ベース)は9・24%から20・0%となり、三菱自は三菱商事の持ち分法適用会社となる。TOBは2月21日から今月20日まで実施。主に三菱重工業と三菱東京UFJ銀行から株式を買い付け、取得額は約1200億円。TOB後も三菱自の東証1部上場は維持される見通し。
日刊工業新聞2018年3月22日
中西孝樹
中西孝樹 Nakanishi Takaki ナカニシ自動車産業リサーチ 代表
 日産的な合理的な経営が浸透する三菱自動車は、物流、調達を含め凄まじい勢いで中抜きを許さない調達改革を進めている。金融事業も日産との一体化が進む。自動車バリューチェーンビジネスの再強化を狙う三菱商事にとって、一定の三菱自動車の株式を握り、自動車事業への戦略的関与を必要とする局面に立つ。  同時に、今後収益回復が望める同社の持分利益も取込める。三菱グループの保有する株式が商事に集中する展開はサプライズではないものの、一気に20%の獲得する背景には、商事の自動車事業強化に対する危機意識の表れでもあるだろう。

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