「スープラ」復活、トヨタはなぜスポーツ車にこだわるのか

「全ての人にファン・トゥ・ドライブを」

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コンセプト車「GRスープラ・レーシング・コンセプト」
 16年ぶりに復活させたスポーツ車「スープラ」のレーシングコンセプトモデルを世界初披露したトヨタ自動車。豊田章男社長はかねてから「大衆車を多く売ることが使命だと思っているが、トヨタでもおもしろいクルマをつくれると示したい」と意気込む。スープラは「全ての人にファン・トゥ・ドライブを」の象徴になるだろうか。

 提携する独BMWと共同開発し、ベース車両は2019年前半の発売を予定する。1978年に初代を北米で発売(日本では「セリカXX」として販売)したスープラは、4代目の生産を02年に中止しており、往年の名車をよみがえらせる。

 公開したスープラは「GRスープラ・レーシング・コンセプト」。17年9月に一新した市販車のスポーツカーシリーズ「GR」に設定した。サスペンションやタイヤ、ブレーキなどにレース専用部品を装備したクーペ。ドイツのトヨタモータースポーツが開発を担当した。

 日本で18年冬頃に発売する高級車ブランド「レクサス」の新たな小型スポーツ多目的車(SUV)「UX」も初公開した。

 トヨタは大量に売れるクルマを優先した結果、一時期スポーツ車が商品群から姿を消した。それが若い人のクルマ離れにつながる要因にもなったと考える。

 2000年に発売した小型車「bB」など若者対策には以前から取り組んではいた。しかし、どれも一時は支持を得られるが長続きしなかった。

 行き着いたのが「クルマ好きの王道」であるスポーツ車だった。16年にはスポーツ車「86(ハチロク)」を発売した。元マツダのエンジニアで「ロードスター」の2、3代目の開発責任者だった貴島孝雄氏は、「スポーツ車で一番してはいけないのは景気の波でつくったりやめたりすること。それがもっともファンを裏切る行為だ」と話す。

 自動車各社は市販車をベースとした身近なモータースポーツ活動を強化するとともに、その成果をスポーツタイプ商品の開発にフィードバックする手法が目立つ。クルマの付加価値を高める一つの方法として確立した感がある。トヨタはその先頭を走る。

日刊工業新聞2018年3月8日の記事に加筆・修正

COMMENT

明豊
執行役員 DX担当
デジタルメディア局長

バブル世代。当時からクルマにはまったく興味はなかったが、唯一とてもカッコイイと思ったのがいすゞの「ピアッツァ」でした。

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