ホンダ「NSX」に採用された角形鋼管はどこがすごい?

新日鉄住金の独自の3次元熱間曲げ加工。細さと強度、複雑な形状にも対応

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量産加工プロセスの一部
 新日鉄住金の独自の3次元熱間曲げ加工による角形鋼管が、自動車の車体骨格部品に採用された。鋼管ならではの細さと強度の両立、および複雑な形状にも加工できる利点が評価され、ホンダの新型「NSX」のフロントピラーに使われた。新日鉄住金によると、この加工技術で鋼管が車体骨格部品に採用されたのは世界初。これを機にバンパービームやセンターピラーなどにも展開させたいとしている。

 子会社の日鉄住金鋼管(東京都千代田区)との共同開発で、エイチワンが車体骨格に採用可能な量産技術を確立した。電縫鋼管を高周波加熱し、多軸ロボットで曲げ加工した直後に水冷して、1500メガパスカル級の強度を出す加工法。湾曲、ねじりなど複雑な形にも加工できる。従来の薄鋼板を使う工法に比べ、溶接が不要になる分、重さを30―50%削減可能。細くしても強度を出せるため、フロントピラーに使うことで運転席からの視野が広がり、視認性が高まる。

エイチワン、超ハイテン加工を実現


日刊工業新聞2015年2月24日


 エイチワンは超高張力鋼板(超ハイテン)の加工を拡大する。引っ張り強度1470メガパスカル級の超ハイテン材を冷間プレスで加工する技術の開発をほぼ完成させたほか、2015年から1180メガパスカル級材の量産加工を始める。軽量化技術としては加熱してプレスするホットスタンプ(熱間プレス)も開発しているが、加工時のコストが比較的安いハイテンの冷間プレス技術で他社との差別化を図る。

 1470メガパスカル級の超ハイテン材はより薄い材料で高い強度を出せるため、エイチワンが試作したセンターピラーでは980メガパスカル材に比べ約18%の軽量化を実現した。

 ただ、1470メガパスカル級の超ハイテン材は亀裂やシワができやすく、加工が難しい。そこで金型を工夫して部品の形状に合わせて鋼板にかかる圧力の分散を変え、寸法通りの加工に成功した。既存のプレス設備で加工できるため、1470メガパスカル級材の量産供給が始まり次第、技術的には部品加工を始められるという。

 また引っ張り強度1180メガパスカル級の超ハイテン材の加工は今年から日本で始める。980メガパスカル級材の加工は日本やタイに加えて、中国や米国でも行っていく。

日刊工業新聞2016年8月5日

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明豊
執行役員 DX担当
デジタルメディア局長

自動車業界では軽量化に加え安全性能向上へのニーズが高まっている。スポーツカーにとどまらず、一般大衆車にも採用が広がっていくかに注目。

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