SiCデバイス生産能力を16倍に。「供給が間に合わない」(ローム社長)
澤村諭社長インタビュー「従来なかったところに需要が生まれている」
―受注が好調です。
「車載、産業機器、白物家電など各業界が非常に変化し、半導体や電子部品の需要が拡大している。例えば車載では電動化や自動運転への対応により、従来なかったところに需要が生まれている。その上で、変化のスピードも速くなっている」
―2021年3月期に、車載・産機の売上高比率を50%にする目標を掲げています。
「18年3月期は44%となる見込みだ。車載については、情報と娯楽を融合するインフォテイメント系で液晶ディスプレー用ICが好調なほか、ボディー制御系はヘッドライト向け発光ダイオード(LED)用ICなどが好調に推移している。また成長率が高いのは、パワートレーン系と先進運転支援システム(ADAS)系の2分野。特にパワートレーン分野は炭化ケイ素(SiC)などのパワーデバイスと、それを駆動させるゲートドライバーICをキット(一式)で持っていることが当社の強みだ。電気自動車(EV)では、こうした技術で電力変換ロスをいかに減らせるかが要求される」
―17年9月にパワーデバイスの技術支援施設「パワーラボ」をドイツに開設しました。
「従来、日本でしかできなかった支援体制を欧州で充実させた。(製品開発の段階から顧客のプロジェクトに加わる)『デザイン・イン』を強化することで開発期間を短縮でき、不具合の発生も抑制できる。海外顧客の比率は現在40%だが、こうした取り組みを通じて50%へ高めたい」
―SiCパワーデバイスの展開をどう強化しますか。
「SiCに関しては、18年3月期から26年3月期までに累計600億円投資し、生産能力を現在の16倍に高める。国内の前工程工場、海外の後工程工場をそれぞれ強化しないと、供給が間に合わない。ウエハーの研磨工程は日立金属と連携も始めている。今後は、こうした他社との連携も増えていくだろう」
―19年3月期の設備投資計画は。
「18年3月期よりも約100億円増やし、700億円規模になりそうだ。LSIやパワーデバイスなどの生産能力の強化に充てる。また自社の生産設備に振動センサーなどを取り付けて『スマートファクトリー化』を順次進める。設備の故障を事前に察知することで、生産性を高めていく」
―産業界の「品質管理」が問われています。
「当社の企業目的には『つねに品質を第一とする』とあり、社員は皆これをたたき込まれる。その上で、社長直轄の組織によって各製造部門を横断的に見ている。社員一人ひとりが、品質に対する真摯(しんし)な気持ちを持たないといけない」
「車載、産業機器、白物家電など各業界が非常に変化し、半導体や電子部品の需要が拡大している。例えば車載では電動化や自動運転への対応により、従来なかったところに需要が生まれている。その上で、変化のスピードも速くなっている」
―2021年3月期に、車載・産機の売上高比率を50%にする目標を掲げています。
「18年3月期は44%となる見込みだ。車載については、情報と娯楽を融合するインフォテイメント系で液晶ディスプレー用ICが好調なほか、ボディー制御系はヘッドライト向け発光ダイオード(LED)用ICなどが好調に推移している。また成長率が高いのは、パワートレーン系と先進運転支援システム(ADAS)系の2分野。特にパワートレーン分野は炭化ケイ素(SiC)などのパワーデバイスと、それを駆動させるゲートドライバーICをキット(一式)で持っていることが当社の強みだ。電気自動車(EV)では、こうした技術で電力変換ロスをいかに減らせるかが要求される」
―17年9月にパワーデバイスの技術支援施設「パワーラボ」をドイツに開設しました。
「従来、日本でしかできなかった支援体制を欧州で充実させた。(製品開発の段階から顧客のプロジェクトに加わる)『デザイン・イン』を強化することで開発期間を短縮でき、不具合の発生も抑制できる。海外顧客の比率は現在40%だが、こうした取り組みを通じて50%へ高めたい」
―SiCパワーデバイスの展開をどう強化しますか。
「SiCに関しては、18年3月期から26年3月期までに累計600億円投資し、生産能力を現在の16倍に高める。国内の前工程工場、海外の後工程工場をそれぞれ強化しないと、供給が間に合わない。ウエハーの研磨工程は日立金属と連携も始めている。今後は、こうした他社との連携も増えていくだろう」
―19年3月期の設備投資計画は。
「18年3月期よりも約100億円増やし、700億円規模になりそうだ。LSIやパワーデバイスなどの生産能力の強化に充てる。また自社の生産設備に振動センサーなどを取り付けて『スマートファクトリー化』を順次進める。設備の故障を事前に察知することで、生産性を高めていく」
―産業界の「品質管理」が問われています。
「当社の企業目的には『つねに品質を第一とする』とあり、社員は皆これをたたき込まれる。その上で、社長直轄の組織によって各製造部門を横断的に見ている。社員一人ひとりが、品質に対する真摯(しんし)な気持ちを持たないといけない」
日刊工業新聞2018年2月12日