「アウトランダーPHEV」の航続距離がもっと伸びる!?明電舎の新技術とは

インバーター・モーターの一体型システム開発、軽量化などを訴求

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アウトランダーPHV(公式ページ)
 明電舎は電気自動車(EV)向けに基幹部品のインバーターとモーターを組み合わせ、小型・軽量化した駆動システムを開発した。インバーターとモーターを別々に搭載した場合と比較し体積は30%、重量は15%削減した。接続ケーブルが不要になりコストや組み立ての工程数も減らせる。完成車メーカーがEV開発を強化する中、小型・軽量で航続距離や設計自由度を向上できる利点を訴求し、採用につなげる。

 モーターとインバーターはEVやプラグインハイブリッド車(PHV)の走行を支える基幹部品。現状はそれぞれ別の場所に配置しケーブルで接続しているのが一般的で、一体型は業界ではまだ珍しい。明電舎はモーターから発生する熱の影響を受けやすいインバーターの冷却構造を見直すとともに、部品の配置を最適化し耐振動性を高めることでユニット化に成功。小型、軽量化を実現した。

 単品での製品特性も高めており、モーターは16年比で出力密度を1・7倍に高めたほか、インバーターは同2倍にした。今後は炭化ケイ素(SiC)パワー半導体により出力密度をさらに高めたインバーター搭載の次世代品の開発も進める。EVのほか、PHV向けにも提案する。

 明電舎はEVなど電動車両向けの部品事業を強化している。現在は三菱自動車のEV「アイ・ミーブ」やPHV「アウトランダーPHEV」にモーターとインバーターを単品で供給している。

 EVを巡っては環境規制への対応を背景に完成車各社が開発を強化している。トヨタ自動車はマツダやデンソーとEVの新会社を設立し、基幹部品の共同開発を進める。日産自動車は仏ルノーや三菱自と電動車両のプラットフォームを共通化する戦略を打ち出す。ホンダは日立オートモティブシステムズと電動車両用モーター事業の合弁会社を設立した。

 明電舎は産業用モーターが祖業で信頼性の高い商品を提供できる点や、独立系で顧客のニーズに柔軟に応えられる強みを活かし、EV開発を強化する国内外メーカーの需要を取り込む。

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日刊工業新聞2017年10月23日

COMMENT

明豊
デジタルメディア局
局長

明電舎は電気自動車の先駆けである「アイミーブ」にシステムを供給、稲村会長とよく話したが、なかなか需要が読めなくて困っているとこぼしていたのを思い出す。組んだ三菱自は日産傘下になり、電気自動車も一気に普及モードに。これから供給相手がどう変化していくか分からないが、もともとモーターなどの技術力は高い。先行者の意地でぜひ事業を拡大していって欲しい。

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