マツダ、過去最高の売上高にみる強さと課題

国内は高収益のSUV堅調、米国は新工場でリスクも

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マツダの小飼社長と次世代エンジン「スカイアクティブ-X」
 2018年3月期の連結業績予想を上方修正し、売上高が過去最高になる見通しのマツダ。為替が円安になることや、国内販売が高収益なスポーツ多目的車(SUV)にシフトしているため。

 売上高は従来見通しより1500億円上方修正し過去最高の3兆5000億円(前年同期比8・9%増)を見込む。上方修正のうち国内分約200億円、海外分約1300億円と円安効果が大きい。

 世界販売台数の見通しは過去最高の160万台(同2・6%増)を据え置いた。日本で3000台、米国では1万3000台下振れするが、中国の増販でカバーする。

 3列シートの新型スポーツ多目的車(SUV)「CX―8」の予約受注台数が発売前の約3カ月で月間販売目標(1200台)の約6倍となる7362台になった。輸入車を含めた国内の3列SUVの月間販売台数は3000台程度。規模が小さな市場の中で、上々の滑り出しとなった。

 CX―8はマツダにとって国内初となる3列SUV。人間工学に基づき、3列目の空間を身長170センチメートルの人でも快適に過ごせる設計にした。衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全技術「アイ・アクティブセンス」を標準装備している。

 グレード別受注は、最上位モデルの「XD・L・Package」が40%強。中間モデルの「XD・PROACTIVE」が約50%となって、上位モデルが全体の70%以上を占めた。購入者を年齢層別でみると、30代までが約4割と最も多く、ブランド推進部の高場武一郎主幹は「想定以上に若いファミリー層を獲得できた。国内3列SUV市場は開拓の余地が大きい」と話す。

 また「CX―5」ではを3月に改良型エンジンを搭載し発売する。ガソリンエンジンでは負荷に応じて4気筒のうち2気筒を止める気筒休止技術を採用し、実用燃費を改善した。エンジンへのこだわりを訴求し続ける。

 一方、中国販売は17年が前年比8%増と初めて30万台を突破。初の専売車「CXー4」で、クーペSUVという新しいセグメントに参入するなど挑戦する姿勢が成果となって表れている。

 課題の米国事業はトヨタ自動車と米アラバマ州に完成車の新工場の建設を決めた。総額16億ドル(約1800億円)を投じて米国に年産30万台規模の合弁工場を21年をめどに稼働させる。

 マツダは数年前にメキシコの25万台の新工場へ踏み切った直後の米国再参入となる。年間5万台の成長を持続させるためには必要な能力増強で、新投入するSUVを生産する。ただし、販売力を見ると、その5万台のハードルが高くなってきたことも事実。国内工場稼働率維持とも合わせ、厳しい舵取りが避けられない。舵取りを誤れば、トヨタへの依存度が更に高まることになりかねない。

日刊工業新聞2018年2月8日の記事に加筆

COMMENT

明豊
執行役員デジタルメディア局長 DX担当

決算全体は円安に助けられた、しかし10ー12月期の北米の営業利益は前期比37%減という大幅マイナス。フリート販売を意識的に抑制し販売台数が減っているのが要因という。ただ販売ボリュームが大きい「CXー5」もインセンティブ頼みだ。先進技術に比べ国内外で販売店改革が遅れているマツダ。円安のうちにどこまで改革ペースを上げられるか。

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