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マツダ車じゃないもう一つの「CXー3」があった!

アルパイン、顧客の希望に合わせたカスタマイズ車に参入
アルパイン販売子会社のアルパインマーケティング(東京都大田区、岩渕和夫社長)は、同社が企画・開発したカスタマイズ車の販売を4月から始める。車種ごとに最適なデザインに仕上げた内外装パーツを用意し車に装着して提供する。カーナビやカーオーディオなど車載機器の販売会社がカスタマイズ車の販売に乗り出すのは異例だ。

 「車1台まるごとお客さまの要求に応えられるようにしたかった」。岩渕社長は新事業の狙いを強調する。


 カスタマイズ車の対象車種はトヨタ自動車のミニバン「ヴェルファイア」、マツダのスポーツ多目的車(SUV)「CX―3」など4車種。各車種のイメージにあった内外装パーツをアルパインマーケティングが独自にデザインしてそろえた。シートやタイヤホイールなどその種類は多岐にわたる。

 顧客は車種ごとに用意されたパーツの中から好みの部品を選択してアルパインマーケティングに発注。同社が自社拠点で車に各パーツを装着し、完成させて顧客に提供する。各パーツは車検にも適合させており、車検時に車からパーツを取り外す必要はない。

 親会社アルパインの公式通販サイトから注文できるほか、ニューズ(福岡市東区)と提携し、4月にオープンする販売店ニューカーズ(同)でも注文を受け付ける。ビジネスの進展を見ながら取り扱う車種や取り扱い店舗を順次拡大する。

 アルパインは価格帯別ではなく、車種ごとに専用に設計したカーナビやカーオーディオを市販向けに展開している。

 15年からは“車の室内空間全体をプロデュースする”という意味を込めた新コンセプト「アルパインプレミアムスペースデザイン」を打ち出し商品展開を開始。大画面が特徴のカーナビ「BIGX」シリーズの拡販につなげていった。

 このコンセプトの延長線上にあるのがアルパインマーケティングが始めるカスタマイズ車事業だ。車種専用商品を展開する中で、「室内空間だけでなく『車自体をプロデュースしてほしい』とのユーザーからの要望が増え、事業化の検討を進めてきた」(カスタマイズ車販売の担当者)。
トヨタ自動車の「プリウス」専用リアビジョン

(文=下氏香菜子)
日刊工業新聞2017年2月24日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
カーナビの国内市販市場は人口減少などを背景に、中長期的には縮小傾向にある。こうした中、アルパインマーケティングの挑戦は顧客に新たな価値を提供して勝ち残っていくための戦略の一つでもある。新しい収益源になるのか。カスタム車販売の進捗が注目される。 (日刊工業新聞第一産業部・下氏香菜子)

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