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期限切れた水、プール、風呂水も飲料可能に!ポリタンク型浄水器

ミヤサカ工業、被災時などの給水用に
 【諏訪】ミヤサカ工業(長野県茅野市、宮坂義政社長、0266・79・7115)は、被災時などの給水用として、内蔵の手動空圧式ポンプとMF(精密濾過<ろか>膜)中空糸などのフィルターを利用して簡単給水を行えるポリタンク型非常用浄水器「コッくん飲めるゾウ ミニ」を2月中旬に発売する。期限切れのミネラルウオーターのほか、水道のくみ置き水などを飲用可能にする。価格は消費税抜きで2万2000円。初年度に2000台の販売を見込む。

 MF中空糸フィルターに加え、不織布および活性炭フィルターの三重濾過によりゴミ、細菌を除去できるため、くみ置きの貯水槽、プール、使用後の風呂水(入浴剤入りは不可)などを飲用可能にする。タンク上部にある空圧ポンプを手動で加圧後、下部のフィルター内蔵コックを開けることで濾過した浄化水が供給される仕組み。

 圧力のかけ過ぎを防ぐため、一定の圧力を超えると自動で空気を逃がす安全弁も備える。また、農薬など化学物質混入が疑われる河川水に対しても、手や食器洗い用の浄化水が生成できる。浄水速度は、1時間300リットル以上。

 ポリエチレン製タンクは強度に配慮し、その厚みを2ミリメートル以上の均一仕上げ。本体サイズは、幅200ミリ×奥行き260ミリ×高さ430ミリメートル、重量約2キログラム、容量20リットル。不織布、活性炭フィルターは1セットのスペア付き。MF中空糸フィルターの交換カートリッジは8000円程度で供給する。40度C程度までのお湯も入れられるため、宮坂社長は「シャワーヘッドなどを付ければ簡易シャワーとして利用できる」として、アウトドアグッズとしての販路も探る。
日刊工業新聞2018年2月8日
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
値段も手ごろかつ軽いので、災害時にはさまざまな場所で活躍しそうです。海外でも喜ばれるのでは。

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