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ジヤトコ社長が変速機の未来を語る、EVに比べ自動運転の進展が早い?

中塚晃章氏に聞く「CVTは自動運転に適している」
ジヤトコ社長が変速機の未来を語る、EVに比べ自動運転の進展が早い?

ジヤトコ社長・中塚晃章氏「20年代にEV変速機」

 ―2017年度の自動変速機(AT)と無断変速機(CVT)の合計生産台数は。
 「日産自動車の着地点が確定していないが、16年度の約550万台から数%増を見込んでいる。国内の日産向けは減少したが、米国、中国など海外は増加している。18年度も増加基調にある」

 ―20年にATメーカーのグローバルNo1を目指しています。
 「台数的には今のペースでは達成が厳しいだろう。ただNo1は台数だけではなく、品質や革新的な技術もポイントに置いている。基本は変えないが、6カ年計画も3年が経過しており18年度に一定の見直しを加えたい」

 ―生産の状況は。
 「中国、メキシコはほぼフル操業。国内が稼働率90%程度、タイは約60%。基本的に成長路線だが、投資判断は慎重に行う。ロボット、IoT(モノのインターネット)導入など国内外で生産性向上を図る」

 ―電気自動車(EV)化など次世代技術への対応は。
 「EV用変速機の商品化は20年代と見ている。EVに比べ自動運転の進展が早い場合、スムーズな変速を実現するCVTは自動運転に適しており普及に伴いニーズが見込める」

 ―働き方全般が問われています。
 「業績かコンプライアンスかとなれば、迷わずコンプライアンスだ。社員の声を吸い上げ、ものを言える文化を作りたい。働き方では育児・介護休暇などワークライフバランスの適正化を図りたい」
(聞き手=静岡・伊奈淳一)
日刊工業新聞2018年1月22日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
CVT世界トップシェアとはいえ、EVシフト加速の中では危機感が高まる。ATメーカーグローバルNo1に向けては20年の達成にこだわりすぎず、技術開発に磨きをかけ、次の攻勢に備えているようにも見える。次世代車市場での突破口をどこに見いだすか注目したい。 (日刊工業新聞静岡支局・伊奈淳一)

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