アイシン精機が「1モーター」変速機、ハイブリッド車の孤立化避ける

来年から量産、「内燃機関+電動化」の仲間作り

 アイシン精機は2018年度中に、ハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHV)向け新型変速機を量産する。自動変速機(AT)とモーター一つを組み合わせた製品で、モーターを二つ使う既存のHV用変速機より高速走行時の燃費が良く、簡素な構造。欧州や中国がエンジン搭載車の規制に動くが、同社は電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)への市場移行期に、HVやPHVが主流になるとみて、新モデルを市場投入する。

 新型変速機「ワンモーターハイブリッドトランスミッション」はグループ会社で、AT最大手のアイシン・エィ・ダブリュ(AW)が中心に開発して生産する。

 既存のATの一部分にモーターとクラッチを配置し、エンジンと変速機をクラッチで切り離すことでモーター走行する。生産規模は明らかにしていない。従来のATの生産設備を活用できるため、新規の設備投資は比較的少ないという。

 トヨタ自動車がアイシングループと共同で手がける既存のHV用変速機はモーターを二つ使う。HVシステムとしてはエンジンとモーターの両方を駆動力に使えるほか、モーター走行時も発電できるなどの利点がある。

 一方、新たに量産するモーター一つのタイプは既存のATと組み合わせるシンプルな構造。車メーカーは既存車の設計を大きく変えることなく、HVシステムを搭載できる。

 ATは足元では世界的な需要拡大が続いており、18年3月期に980万台の販売を見込む。ただ中長期では欧州や中国を筆頭にATを使わないEVへの需要シフトが予測され、AT需要は「20―22年頃にピークを迎える」(アイシン精機幹部)見通しだ。EVやFCVへの市場移行期はHVやPHVが主流になるとみて、中核部品を拡販する。

 アイシンはアイシンAWを含むグループ全体で電動化への対応を推進。EV向けにも使える電気式の四輪駆動(4WD)駆動ユニットやEV用モーターなども開発している。

日刊工業新聞2017年10月31日

中西 孝樹

中西 孝樹
11月01日
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1MotorのHEVは大きめの車種への採用が進む公算が高い。特に欧州向けOEMでの採用が進む公算だ。2Motorの動力分割型のトヨタのHEVは技術的に優れていることは明らかだが、世界で孤立化が進む。比較的簡単に採用が可能な1MotorのHEVをグループのアイシンAWが推進することで、内燃機関をベースにする電化技術の仲間を増やしていける意義は大きい。アイシンAWもATがピークをうった後も成長を持続できる戦略商品となる。

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