スバルが採用広げる後退時自動ブレーキシステム、“事故ゼロ”へ運転支援拡充

「インプレッサ」「レガシィ」などに相次いで標準装備

 SUBARU(スバル)が後退時自動ブレーキシステムの採用を広げている。8月に一部改良して発売したスポーツワゴン「レヴォーグ」と「WRX S4」に国内仕様で初めて採用したのを皮切りに主力車「インプレッサ」「レガシィ」などに相次いで標準装備した。駐車場などで車を入出庫する際、ドライバーの操作ミスによる衝突事故が多発している。前方に加えて後方に進む際の運転支援機能を充実させ、事故減少につなげる。

4段階で警告


 スバル東京事業所(東京都三鷹市)のテストコースで行われた後退時自動ブレーキシステムのデモンストレーション。車の後方に設置された壁に向かって、レヴォーグが時速5キロメートルで後退する。壁に近づくにつれ警告音が鳴り「ぶつかりそう」と思った瞬間、自動ブレーキがかかり壁の前で停止した。

 同システムは時速1・5キロ―15キロメートルで後退中に作動する。車体後部のバンパーに搭載した四つの超音波センサーが後方の障害物を検知し、障害物との距離に応じ4段階で音やメーター内のディスプレーへの表示で警告する。警告してもドライバーがブレーキ操作をしなかった場合、自動ブレーキが働いて衝突を回避したり、衝突からの衝撃を軽減したりする。

米で先行


 これまでスバルは同システムを米国で販売するセダン「レガシィ」やスポーツ多目的車(SUV)「アウトバック」「フォレスター」などにオプション設定していた。米国では車を駐車する際、車の頭側から入庫し後退しながら出庫するのが主流。このため出庫する際、通路から走ってくる車や自車の真後ろに停車している車との衝突事故が起きやすく、事故を防ぐ運転支援機能を求める声が多いからだ。

 ただ最近は日本でも駐車場などでドライバーがアクセルとブレーキペダルを踏み間違え、人や建物に衝突する重大事故が多発している。完成車各社はこうした事故を防ぐため誤発進や誤後進した場合にエンジンの出力を抑制する制御システムの採用を広げている。スバルはこうした制御システムに加えて、後退時自動ブレーキシステムを装備し、後方を対象にした運転支援機能をさらに充実させることにした。

横方向も視野


 20年代には交差点で横方向から来る歩行者や自転車、車両との衝突を防ぐ運転支援技術の実用化を目指している。具体的な仕様はまだ決まっていないが、運転支援システム「アイサイト」で使われているステレオカメラの高度化に加え、ミリ波レーダーなど新たなセンサーの採用を検討。より広い範囲にわたって物体を検知できるようにする。
(文=下氏香菜子)

日刊工業新聞2017年10月19日

日刊工業新聞 記者

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10月19日
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運転支援技術を高度化しながらも「できるだけ最小限のデバイスで構成したい」(先進安全設計部の丸山匡主査)とし、大幅なコストアップにならないようにする。車の死角をとことんつぶして“事故ゼロ”につなげるスバルの挑戦は続く。
(日刊工業新聞編集局第一産業部・下氏香菜子)

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