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「人工ダイヤ基板」単結晶、大口径・高品質化へ…オーブレー・英デビアス系が提携

「人工ダイヤ基板」単結晶、大口径・高品質化へ…オーブレー・英デビアス系が提携

Orbrayの並木里也子社長㊧とエレメントシックスのシヴォーン・ダフィーCEO

Orbray(オーブレー、東京都足立区、並木里也子社長)は11日、英デビアス傘下のエレメントシックスと人工ダイヤモンド基板事業で提携したと発表した。単結晶ダイヤ基板に関する両社の技術を融合し、基板の大口径化と高品質化、量産技術の確立を目指す。電気自動車(EV)に搭載するパワー半導体や、第6世代通信(6G)基地局向け高周波デバイスへの採用を見込む。早期に年間数十億円規模の事業にする。

8月からオーブレーの技術者をエレメントシックスの研究拠点に派遣して共同研究を始め、単結晶ダイヤ基板の大口径化と高品質化を進める。量産時はエレメントシックスの生産拠点を活用する方針。研究開発と同時に両社の販売網を通じた顧客への提案活動も始め、EVや6Gのほか、量子デバイスや放射線センサー、宇宙関連への採用を目指す。すでに一部の顧客から基板の採用に関する初期相談を受けているという。

オーブレーはコスト効率の高いサファイア基板上に単結晶ダイヤを成長させる「ヘテロエピタキシャル」と呼ぶプロセスの採用により、2022年には世界で初めて直径2インチ(約55ミリメートル)の単結晶ダイヤ基板の開発に成功した。早ければ24年中にも同4インチ(約100ミリメートル)基板の開発にめどがつく見通し。

一方、エレメントシックスはダイヤ事業を展開する英デビアスのグループ企業で人工ダイヤ基板などを手がける。産業用途で使える高品質の単結晶ダイヤ基板を製造する技術や最先端の量産設備を持つ。両社はダイヤ基板事業を加速するため、約1年前から提携協議を進めてきた。

同日、エレメントシックスの米国拠点で開いたオンライン会見で並木社長は「協業の成果が日本の半導体業界をけん引する力となるよう邁進したい」と述べた。

エレメントシックスのシヴォーン・ダフィー最高経営責任者(CEO)は「世界をリードするパートナーと最高品質の単結晶ダイヤを製造する旅をともにできることがうれしい」と語った。

日刊工業新聞 2024年6月12日

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