今の仕事を続けながら、海外ボランティアへ。ビジネスチャンスも掴めるかも!?
JICAシンポジウム開催
国際協力機構(JICA)は8月22日、JICA市ケ谷ビル国際会議場(東京都新宿区)で「グローバル時代の人材をどう育てるか」をテーマに、海外展開に取り組む中小企業向けのシンポジウムを開く。
2012年、政府の「中小企業海外展開支援大綱」改訂以降、JICAは日本の中小企業の製品・技術を、開発途上国の課題解決に活かす事業への支援に力を入れている。シンポジウムでは、NHKシニア・ディレクターの片岡利文氏がグローバル人材の確保と育成の実態を話すほか、JICAのボランティア事業を人材育成に生かす会宝産業(金沢市)の近藤典彦会長らが講演する。講演後には、無料の個別相談会も実施する。
参加無料。定員180人。詳細は公式サイトへ。
国際協力機構(JICA)が途上国へのボランティア派遣事業で、企業や大学、自治体との連携を深めている。これまで海外ボランティアは個人が参加する印象が強かったが、さまざまな組織との連携で参加者の裾野を広げる狙いだ。4月に女性初のJICA青年海外協力隊事務局長に就任した山本美香氏に、組織と連携する背景や今後の展望を聞いた。
―企業などと連携する理由は何ですか。
「2000年代をピークにボランティアへの応募者数は減少傾向にある。少子高齢化で人口が減っていることに加え、昔に比べて海外渡航が楽になり、JICA事業以外でも海外で活動する選択肢が増えたことが要因だろう。組織と連携し、これまで応募してこなかった層を開拓していきたい」
―今後、どのように企業などの参加者を広げていきたいですか。
「現状、ボランティアに占める現職参加の割合は2割弱にとどまる。まだ企業や大学に現職参加の制度が知られていないことが課題だ。またメリットも十分伝わっていない。企業などが参加する場合、派遣された社員はアフリカなどの派遣先で鍛えられ、たくましくなって帰国する。人材育成にはもってこいの制度だと思う」
―特に注目している分野はありますか。
「20年の東京五輪・パラリンピックを見据え、スポーツ分野で大学や自治体と連携したい。スポーツにおける日本の知見を求める国は多い。ボランティアを通じて日本と海外が強い絆で結ばれることで、東京五輪・パラリンピックを後押ししたい」
(文=大城麻木乃)
【略歴】86年(昭61)武蔵大社会卒。92年国際協力事業団(現国際協力機構)に入る。ボリビア事務所長、青年海外協力隊事務局総務・企画担当次長を経て、2017年4月1日から現職。埼玉県出身、54歳。
2012年、政府の「中小企業海外展開支援大綱」改訂以降、JICAは日本の中小企業の製品・技術を、開発途上国の課題解決に活かす事業への支援に力を入れている。シンポジウムでは、NHKシニア・ディレクターの片岡利文氏がグローバル人材の確保と育成の実態を話すほか、JICAのボランティア事業を人材育成に生かす会宝産業(金沢市)の近藤典彦会長らが講演する。講演後には、無料の個別相談会も実施する。
参加無料。定員180人。詳細は公式サイトへ。
日刊工業新聞2017年7月25日に加筆
ボランティア派遣、産学官と連携深化。利点伝え、新しい層開拓
国際協力機構(JICA)が途上国へのボランティア派遣事業で、企業や大学、自治体との連携を深めている。これまで海外ボランティアは個人が参加する印象が強かったが、さまざまな組織との連携で参加者の裾野を広げる狙いだ。4月に女性初のJICA青年海外協力隊事務局長に就任した山本美香氏に、組織と連携する背景や今後の展望を聞いた。
―企業などと連携する理由は何ですか。
「2000年代をピークにボランティアへの応募者数は減少傾向にある。少子高齢化で人口が減っていることに加え、昔に比べて海外渡航が楽になり、JICA事業以外でも海外で活動する選択肢が増えたことが要因だろう。組織と連携し、これまで応募してこなかった層を開拓していきたい」
―今後、どのように企業などの参加者を広げていきたいですか。
「現状、ボランティアに占める現職参加の割合は2割弱にとどまる。まだ企業や大学に現職参加の制度が知られていないことが課題だ。またメリットも十分伝わっていない。企業などが参加する場合、派遣された社員はアフリカなどの派遣先で鍛えられ、たくましくなって帰国する。人材育成にはもってこいの制度だと思う」
―特に注目している分野はありますか。
「20年の東京五輪・パラリンピックを見据え、スポーツ分野で大学や自治体と連携したい。スポーツにおける日本の知見を求める国は多い。ボランティアを通じて日本と海外が強い絆で結ばれることで、東京五輪・パラリンピックを後押ししたい」
(文=大城麻木乃)
【略歴】86年(昭61)武蔵大社会卒。92年国際協力事業団(現国際協力機構)に入る。ボリビア事務所長、青年海外協力隊事務局総務・企画担当次長を経て、2017年4月1日から現職。埼玉県出身、54歳。
日刊工業新聞2017年5月30日