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念願の国産戦闘機「F3」開発へのプロローグか

F35A公開、最新鋭ステルスの国内製造初号機
航空自衛隊が導入するF35A最新鋭ステルス戦闘機の国内製造初号機が5日、三菱重工業の小牧南工場(愛知県豊山町)で、公開された。F35は今年度中に空自三沢基地(青森県三沢市)に配備される。

 F35は、米英豪など9カ国が共同開発し、米ロッキード・マーチン社が中心に製造。日本の企業は開発に参加していないが、組み立てなどの製造過程の一部を担う。

 空自は42機調達するが、4機は米政府の有償軍事援助(FMS)で完成機を調達。残る38機は三菱重工が米国から輸入した部品を最終的に組み立て、検査し納入する。今回公開された国内製造機は空自隊員の操縦訓練のため、米本土で使用される。

 F35は全幅約11メートル、全長約16メートル。敵のレーダーに探知されにくいのが特長で、機体は継ぎ目の段差をなくし丸みを帯びている。高度なセンサーを備えミサイルの探知、追尾能力もあるとされる。

 空自に導入される機体は、エンジン部品をIHIが、レーダー部品などを三菱電機がそれぞれ製造に参画する計画になっている。
日刊工業新聞2017年6月6日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
航空自衛隊では、札幌オリンピックの年(1972年)に導入し、かなり老朽しているF4ファントム戦闘機の退役を先延ばしにしてきました。その置き換えとなるF35Aが、ようやく本格的に配備されます。この新鋭機の実際の性能と、日本企業が組み立てで学ぶ生産技術が、念願の国産戦闘機(仮称・F3)開発の決断につながると思われます。

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