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首都圏私鉄、ホームドア設置急ぐ。設備投資2割増

16年3月時点の設置駅は665カ所
 首都圏の大手私鉄各社が、駅ホームにおける安全性向上の投資を加速する。2018年3月期は全8社が鉄道関連への設備投資を前期に比べて増額し、各社平均で2割程度の伸びを見込む。輸送力やサービスの強化に取り組む一方、転落や接触事故を防ぐホームドアの設置に取り組む。国は利用客が1日当たり10万人以上の駅へのホームドア導入を促進しており、これに呼応して各社が対策を本格化させる。

 8社の今期の鉄道投資計画総額は、前期実績に比べて約18%増の2184億円。各社は沿線環境に合わせ、通勤ラッシュ緩和に向け新線整備や着席型車両の新造などに取り組む。これとともに全社、駅ホームの安全性向上投資を拡充する方針を打ち出す。

 ホームドア整備では東京急行電鉄が今期13駅に導入、主要路線64駅への整備目標を20年3月期に前倒しする。京王電鉄は19年3月期供用予定の2駅で着工する。21年3月期をめどに東武鉄道は8駅、小田急電鉄は6駅、西武鉄道は6駅で追加整備を計画しており、工事や設計に着手する。
 

 国は交通政策基本計画で、21年3月までに800駅のホームドア整備目標を掲げる。国土交通省によると16年3月時点の設置駅は665カ所。地下鉄や新交通システム、都市近郊の新線、JRでは山手線や新幹線で導入が進む。

 一方で利用客10万人以上の駅への普及率は、約3割にとどまる。私鉄の既設路線では、他社線乗り入れが増えており、車両ごとにドア位置が異なるケースも多く、整備に二の足を踏む状況。メーカーとの協業により、新型ドアの開発や検証に取り組む。

 国交省は16年、相次ぐ駅ホームの転落事故を受け、鉄道各社参加の「駅ホームにおける安全性向上のための検討会」を設置。12月の中間取りまとめで、ホームドアの必要性を改めて確認していた。
(文=小林広幸)
日刊工業新聞2017年5月23日
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
東京メトロでは2017年度末までに98駅(全体の55%)、2023 年度末までに162 駅(91%)の設置を目指しています。ホームが狭いにもかかわらずラッシュ時には人があふれかえる駅もあり、東京五輪が重なればさらに危険度は増すでしょう。

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