ニュースイッチ

駅のホームドア、只今進化中

JR東日本、低コスト型を開発。横浜線町田駅に試行導入
 JR東日本は従来より開口部が広く、低コストで工期短縮できるホームドア(写真)を開発し、2016年内に横浜線町田駅で1両分を試行導入すると発表した。新開発のホームドアは、扉部をフレーム構造にして内部機構を簡素化し、軽量化によるコスト軽減と工期短縮を実現。

 開口部を従来の2メートルから2・8メートルに広げ、列車の停車位置の許容範囲を広げる。JR東日本では町田駅の4番ホームにまず1両分を設置し、17年3月に1編成、8両分を設置する。

 新開発のホームドアは山手線に設置している従来のホームドアと同等の強度を確保しながら、設備が半分となり、30%軽量化した。JR東日本は山手線を中心にホームドアの設置を進めているが、ホームドアの重量に耐えられるようにホームの構造改良工事が必要となるなど、コストや工期の面で課題がある。試行導入を通じて効果などを検証し、線区の特徴や駅の利用者数などに応じて、導入を検討する。

マルチドア対応を実証試験


日刊工業新聞2016年7月13日



 三菱重工グループの三菱重工交通機器エンジニアリング(MHI―TES、広島県三原市)は12日、改良型マルチドア対応ホームドア「どこでもドア」の実証試験(イメージ)を今秋に始めると発表した。京浜急行電鉄の協力により、京急久里浜線・三浦海岸駅1番線で試験を行う。

 どこでもドアは、ドアの数やドアの位置が異なる車両が運行する路線に対応するホームドアとして開発を進めている。今回、プロトタイプを駅ホームに1車両分を設置。地上設備だけでホームドア開閉の連携が可能な「地上完結型簡易連携システム」を実証するとともに、耐久性能を検証する。

 実証試験は国土交通省の鉄道技術開発費補助金の交付を受けて行う。

隙間が見える透過型


日刊工業新聞2016年6月17日



 プラットホームと車両の隙間がよく見える―。京三製作所は東京メトロに透過型ホームドア(可動式ホーム柵=写真)と可動ステップを納入した。銀座線上野駅1番ホーム(渋谷方面)に、18カ所分(扉)とすべての開口部に可動ステップを設置した。銀座線として初めての導入となり、すでに運用を始めた。

 透過型ホームドアは従来機種から構造を一新し、ドアとドア収納部(戸袋)に大きな透明窓を装備した。ドアが開く前にホームと車両の隙間を確認できる。可動ステップはホームと車両の隙間を埋め、乗降時の踏み外しや転落を防ぐ。

 非常時の脱出には戸袋を横にスライドさせる方式を採用。脱出口が柱や壁に近接しているところや、ホームが混雑している場合でも脱出口を確保できる。京三製作所は今回の納入を含め、これまで132駅・6692カ所分の納入実績を持つ。


日刊工業新聞2016年9月7日
高屋優理
高屋優理 Takaya Yuri 編集局第二産業部 記者
JR東日本は複数のホームドアを開発し、実証実験を行っていて、今後、駅の利用者数などを見て、適したものを導入していくようです。

編集部のおすすめ