東京五輪で鉄道はどのくらい混雑する?中央大、状況推計する広域シミュレーター開発

 中央大学理工学部の田口東教授らは、2020年の東京五輪・パラリンピック開催期間における鉄道の混雑状況を推計する広域シミュレーターを開発した。首都圏鉄道網を往来する乗客などのデータを基に、駅や車両単位で乗降客数を計算した。観戦客が特定の鉄道車両を集中的に利用することも判明。会場周辺の複数駅に乗降客を分散させるなど混雑緩和策の効果を検証できる。

 首都圏の2009駅と朝5時から深夜1時までの電車4万6700本、通常乗客数1580万人に、五輪観戦客の推定数66万人と競技スケジュールを加味し、鉄道の運行状況をシミュレーションした。主要な乗換駅では時間帯によって10―20%乗客数が増えた。朝の通勤ラッシュと重なる場合、深刻な混雑が発生する。

 五輪観戦客の58%をJR、11%を東京メトロで輸送することになり、この2社に負担の7割が集中する。りんかい線やゆりかもめ、埼玉高速鉄道も観戦客が利用するため全体の乗客数が倍増する。

 混雑緩和策として、会場で試合開始1―2時間前からイベントを開いて早めの入場を促すことや、最寄り駅以外の駅から会場までの道を歩行者天国として開放して露店を出店させ、降りる駅を分散させるなどの対策が提案されている。今回、開発したシミュレーターによって、こうした対策を講じる際の費用対効果やコスト配分を検証できるようになった。

日刊工業新聞2016年4月13日 科学技術・大学面

昆 梓紗

昆 梓紗
04月13日
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ただでさえ朝の通勤ラッシュは悲惨な状態なので、ここに五輪の観客がプラスされるかと思うと恐怖でしかないです…。東京の交通機関に不慣れな観光客、外国の方々はさらに大変なことでしょう。
シミュレーション結果を使いリスクを十分に検討してほしいと思います。

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