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「本気で宇宙飛行士になりたい、そのためにタレント活動をする」黒田有彩さん

宇宙の魅力を多くの人に知ってもらう架け橋になる活動

―目指している方や参考にしている方はいらっしゃいますか。
 私は宇宙業界のさかなクンさんになりたいと考えています。好奇心や探究心、研究に対する姿勢などを本当に尊敬しています。

―宇宙と一口に言っても、物理はもちろんですが、星の観測、航空工学や機械工学など知識の範囲がさまざまな分野に渡りますね。
 「宇宙界のさかなクンさん」を名乗るなら、そのすべての知識を蓄え、常にアンテナを張り続けなければいけません。加えて自分の中での「宇宙観」をしっかり育てる必要もあります。なかなか課題は山積みです。
 さらに宇宙だけに触れていてはだめで、ジャンルの違う方と交流することも必要ですし、「伝える」仕事のためにはいろいろなことに触れて人としても魅力を高めていかなければと思います。
 

―目下の目標は宇宙飛行士になること、と宣言されています。
 現在、宇宙飛行士になるためには約10年に一度行われるJAXAの試験に合格する必要があります。900人程度の応募者から数人が選ばれる狭き門で、そこを突破しなければなりません。そこでは学力や体力も求められますが、アピールする実務経験が必要です。そこで私は「宇宙のことをいろいろな人に知ってもらう活動」をアピールしていきたいと考えています。しっかりと社会に貢献できる活動経験を残していきたいです。
また、専門性も必要と考え、大学で「女性が宇宙で快適に過ごすために必要なこと」について研究しています。例えば無重力状態では月経の経血が自然に出てこないそうです。そういう状態を薬などでコントロールするのではなく、女性が自然な形で過ごせるような研究を行っていきたいと考えています。それが地球上でも非常事態や災害時に役立つかもしれません。
 いずれにせよ、私でないとできないことを探して、積み重ねていきたいです。

―宇宙飛行士になることに加え、今後やってみたいことを教えてください。
 自分が宇宙に行った時に使ってみたいものや着てみたい服などを、ちゃんとした機能を持ちながらもリラックスできる、楽しめるというコンセプトで作ってみたいです。
 また、宇宙と身近なものを掛け合わせてその化学反応を皆さんに知ってもらう活動もしています。過去には宇宙と音楽を掛け合わせるプロジェクトを行いました。音は空気が震えて伝達するもので、宇宙レベルでみると音楽が楽しめる環境って少ないんです。宇宙を知ることで地球やいま私たちがいる環境を再発見できます。また趣味的な活動ですが、宇宙と書道を組み合わせて、宇宙飛行士の方々の千社札を作りました。千社札で選ばれし宇宙飛行士のパワーに少しでもあやかれたらなと(笑)
 

―現在宇宙ビジネスに対して多くの企業や投資家が関心を高めていて、ベンチャーも増えてきました。この状況をどのように考えていますか。
 今まで宇宙に関する技術って、すごいんだけれど何がどうすごいのかが伝わっていない部分がありました。それがどんどん人々の生活に降りてきているのかなと実感しますし、宇宙をビジネスにしようという企業が増えています。宇宙がロマンや研究の対象だけではなく、新たな価値を生む場所としてより身近になっていくと感じます。

黒田有彩さんがイベントに登壇します


 6月7日より9日まで東京ビッグサイトにて開催される「スマートファクトリーJapan2017」。初日の6日には黒田さんがパネリストを務めるイベントが開催されます。日増しに注目が高まるAI・ロボット。パネルディスカッションでは新技術と社会や人々の暮らしとの関わりや今後について、幅広い視点で議論します。

『AI・ロボット時代の変革と創造』~ライブ・ドリアード2017~
 6月7日(水)15:45~17:00
 東京ビッグサイト 「スマートファクトリーJapan2017」内
詳細・聴講予約はこちらから 
http://biz.nikkan.co.jp/eve/smart-factory/heisai.html#a
イベント詳細
http://ai-ripple.jp/livedryads/286/
ニュースイッチオリジナル
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
「宇宙飛行士とタレント活動」一見全く結びつかないように思えますが、宇宙がいつのまにか身近になっている現在、架け橋になるような「伝える力」を持つ人は必要になるでしょう。黒田さんのように、情報発信が乏しかった分野にどんどん「伝える力」を持つ人が入っていってほしいと思います。

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