「出島」で次世代のリーダーを育てる!富士通がデジタルイノベータに200人抜擢

「共創ビジネス」を強化

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ウィンドサーフィンのボードにセンサーを付けて、帆の操作などを監視し助言できる(IoTの活用例)
 富士通は11日、客先や利用者などとアイデアを出し合いながら新たな事業やサービスを創出する「共創ビジネス」を強化すると発表した。共創のための施策を拡充する。また実践力の強化に向け、新たに「デジタルイノベータ」と呼ぶ職種を定義。2017年度に若手のシステムエンジニア(SE)や営業員から200人を抜てきする。収益を生み出す人材として育成し、現場に順次投入する計画。3年後には1200人体制を築く。

 デジタルイノベータはデザイナー、プロデューサー、デべロッパーの3種類の人材像を定義した。本体の人材スキル制度とは一線を画し、既存の枠組みにとらわれない「出島方式」を採用し、デジタル変化を担う次世代のリーダーを育てる。

 共創施策ではグローバルでの先進事例を把握する現地視察や、アイデアのモックアップ作成などの実践プログラムを追加する。プロトタイプ用ソフト開発やデータ収集分析などを通して、共創の成果を事業化するための検証も行う。

 富士通ソリューションスクエア(東京都大田区)内に開設した「PLY(プライ)」を含め、富士通グループ各社が運営する共創拠点との連携も強化する方針。共創拠点は全国に7カ所設けており、18年3月には大阪にも拠点を開設する予定。

 同日、会見した宮田一雄執行役員常務は「お客さまと歩んでいく『デジタル・ジャーニー(旅)』を提唱していく」と今後の方針を強調した。さらにSE業務の変革の指針として「従来のPDCAではなく、オブザーブ(監視)、オリエント(情勢判断)、ディサイド(意思決定)、アクト(行動)を素早く回すOODAサイクルに変えていく」と述べた。

「ろう者に音を届けたい」 たくさんの人がつながった富士通のオープンイノベーション


 髪の毛にクリップすると音を感じることができる全く新しいインターフェイスOntenna。まるで猫のヒゲが空気の流れを感じるように、髪の毛で音を感じることができる装置―。

 そんなユニークなコンセプトを持ったデバイスが今、世界中から注目を集めている。その名はOntenna(オンテナ)。聴覚に障がいを持つろう者のために開発されたもので、ヘアピンのように髪の毛につけると、生活のなかのさまざまな音を光と振動によって"感じる"ことができる。

 「Ontennaはマイクとバイブレーター、LEDが内蔵されたシンプルなデバイスです。マイクが30dB〜90dBの音圧を検知して、256段階の振動と光の強さに変換し、音のリズムやパターン、大きさを髪の毛から伝えます。振動の強弱で音の距離感がつかめますし、左右に一つずつつければ音の方向もわかる。また、光ることでまわりの人と音情報を共有することも可能です」

 そう語るのは、大学時代からOntennaの開発に取り組んできた富士通のUIデザイナー本多達也氏。Ontennaをモニタリングしたろう者からは、「電話とメールの音の違いがわかるようになった」「掃除機のコードがコンセントから抜けてしまったことに気づけた」「車が近づいてくるのがわかった」など、嬉しいレビューがたくさん寄せられたといいます。音を感じたときの笑顔が、開発の原動力になる」
ろう者と出会い、音の聞こえない不便さを知った

日刊工業新聞2017年5月12日

COMMENT

昆梓紗
デジタルメディア局
記者・編集者

共創の種はおそらくたくさん現場に落ちているのでしょう。それを拾って育てられるチームづくりが難しい部分。200名のデジタルイノベータのスキルや個性を把握し、「このビジネスならこのメンバーで」という人選も必要になりそうです。

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