スパコン「京」でEVモーターの開発期間を半減
富士通が磁界解析、大規模シミュレーターとして製品化
富士通は、電気自動車(EV)の動力源となるEVモーターなどの開発に役立つ、スーパーコンピューター「京(けい)」を使った磁界解析のシミュレーション技術を開発した。従来比1000倍超の1ミリメートル―1メートルの対象物内部の磁性体の振る舞いを再現できる。現在は試作を繰り返しながら開発を進めるEVモーターの設計に適用すれば、開発期間を半減できる。2018年をめどに実用化する。
従来は寸法が1ミリメートル以下の磁性材料や希土類磁石向けの磁性体の解析が対象だった。新開発のシミュレーション技術は、EVモーターやインダクター内部の磁性体の磁化状態を解析できる。
EVモーターは回転時などの動作条件が複雑なため、現在は5回ほど試作や実験を行うのが一般的。シミュレーション技術を導入すれば、これを1、2回に減らせる見込み。
富士通研究所(川崎市中原区)が京都大学の協力を得て、シミュレーションに必要な小型の測定装置を開発した。測定対象となる電磁鋼板に、電圧によって変形する圧電素子を貼り付けた構造。
これで応力を柔軟に制御でき、対象物に応力を加えた状態で磁気特性を測れる。
電磁鋼板などモーターに使う磁性材料には、製造時に応力がかかる。材料の磁気特性は応力によって変動するが、既存の大型の装置ではこの影響を正確に測れなかった。
開発装置で得た対象物の実測データは、磁界シミュレーターの開発や検証に不可欠。今後、大規模シミュレーターとして作り込み、製品化する。
従来は寸法が1ミリメートル以下の磁性材料や希土類磁石向けの磁性体の解析が対象だった。新開発のシミュレーション技術は、EVモーターやインダクター内部の磁性体の磁化状態を解析できる。
EVモーターは回転時などの動作条件が複雑なため、現在は5回ほど試作や実験を行うのが一般的。シミュレーション技術を導入すれば、これを1、2回に減らせる見込み。
富士通研究所(川崎市中原区)が京都大学の協力を得て、シミュレーションに必要な小型の測定装置を開発した。測定対象となる電磁鋼板に、電圧によって変形する圧電素子を貼り付けた構造。
これで応力を柔軟に制御でき、対象物に応力を加えた状態で磁気特性を測れる。
電磁鋼板などモーターに使う磁性材料には、製造時に応力がかかる。材料の磁気特性は応力によって変動するが、既存の大型の装置ではこの影響を正確に測れなかった。
開発装置で得た対象物の実測データは、磁界シミュレーターの開発や検証に不可欠。今後、大規模シミュレーターとして作り込み、製品化する。
日刊工業新聞2016年12月8日