決済ブランド統一で目論む「楽天経済圏」の拡大

「楽天ペイ」をグループの資産として活用できるか

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「楽天ペイ」の公式動画サイトより
 楽天が三つあった決済ブランドを「楽天ペイ」に統一し、楽天市場や楽天カードなどの「楽天経済圏」の拡大に乗り出した。楽天IDの利用拡大につなげるため、オフライン(実店舗)、オンラインの双方の領域で決済サービスの拡充に力を入れる。

 楽天は「楽天ペイ」をグループの資産を活用し、物販系電子商取引(EC)とリアル店舗の両面に対応した決済サービスと位置付ける。

 ブランド統一により、これまでの「楽天スマートペイ」は「楽天ペイ(実店舗決済)」、「楽天ID決済」は「楽天ペイ(オンライン決済)」とした。

 また、2016年10月に提供を始めたスマートフォン向け決済アプリケーション「楽天ペイ」を「楽天ペイ(アプリ決済)」と改め、統一ブランドで顧客にアピールする。

 同社によれば、国内のクレジットカードのショッピング市場は約48兆円で、EC市場が約14兆円とされる中、楽天カードは5兆円、楽天EC流通総額は3兆円程度にとどまっているという。

 そこで同社は、楽天の会員IDを持つ利用者が「楽天経済圏」を利用しやすいようにする。例えば、楽天ペイ(実店舗決済)では、店舗のスマホと専用カードリーダーとの接続でクレジットカードが利用できる。

 さらに今夏から、主要電子マネー14ブランドに対応する新端末を導入する。「楽天Edy」に対応し、アンドロイドペイ」なども利用できる。将来に備え、訪日外国人旅行客の決済ニーズにも対応していく。

 楽天ペイ(アプリ決済)にも力を入れる。専用アプリをインストールすることで楽天会員IDによる支払いを実店舗の決済加盟店で可能にした。

 サービス開始後、飲食、美容、アパレル業の楽天ペイ(実店舗決済)加盟店で、アプリ決済が多く使われる傾向にあるという。カード&ペイメントカンパニー楽天ペイ事業部の小林重信ジェネラルマネージャーは「EC内だけでなく実店舗での決済サービスの利用を促進し、楽天経済圏に取り込む」と成長戦略を描く。

 また楽天ペイ(オンライン決済)は、楽天市場以外の他社外部サイトで楽天会員IDによるオンライン決済を可能にしたサービス。3月時点で4000サイト以上が導入しており、さらに導入サイトを増やす方針だ。

日刊工業新聞2017年5月2日

COMMENT

小林ジェネラルマネージャーは「今まで楽天がリーチできなかった(小規模事業者などの)顧客や、(他社外部サイトの)リアルで取引ができないような所にも広げられた」とし、楽天ペイの相乗効果を今後も期待する。 (日刊工業新聞経済部・山谷逸平)

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