「スマホで通販」ポイント競争を制するのはどこだ?

首位の楽天に挑むKDDI系やYahoo!

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楽天市場の戦略を語る楽天の三木谷会長兼社長
 総合電子商取引(EC)サイトによる顧客獲得競争が激化している。KDDIが新たに開設した「Wowma!(ワウマ)」とソフトバンクグループの「Yahoo!ショッピング」はスマートフォン利用者との接点を生かし攻勢をかける。「楽天市場」や「アマゾン」もポイント施策などを強化する。各社は顧客を囲い込み、流通総額の拡大を狙う。囲い込むことで得られる購買履歴などのデータを活用し、サイトの価値を高める動きも加速している。

 「まずは(流通総額を)1000億円まで伸ばし、市場で認知されるサイトにしたい」。KDDIコマースフォワード(KCF、東京都渋谷区)の八津川博史社長は意気込む。

 1月にワウマを開設した。ワウマはDeNAのEC事業「DeNAショッピング」と、KDDI、DeNAグループが共同運営していたEC事業「auショッピングモール」をKDDIが買収し、統合して誕生した。

 現在の流通総額では楽天やアマゾン、ヤフーに大きく後れをとる。KDDI傘下となったことでauのスマホ利用者との接点を生かせるかが浮上のカギを握る。

 その中でワウマはポイント施策を展開。auスマホの利用金額などに応じて貯まるポイントをワウマでもためたり使えたりできるようにした。

 KDDIバリュー事業本部の勝木朋彦金融・コマース推進本部長は「スマホ利用者は既に多くのポイントを持っている。ワウマの利用につなげたい。継続購入を促すポイント施策にも注力する」と意気込む。
             

携帯キャリアとの連携がカギに


 携帯会社の顧客基盤と傘下のECサイトとの関係強化は今後の市場の競争を激化させる要素になりそうだ。ワウマが始動した直後の2月1日、「Yahoo!ショッピング」はソフトバンクのスマホ利用者に対し、ポイント付与率を10倍に拡大するサービスを始めた。ヤフーの宮坂学社長は「『お得革命』を起こす」と力を込める。

 こうした競合の動きについてポイント施策の先駆者である楽天はどう見ているのか。楽天の河野奈保上級執行役員は「(ポイント施策による)顧客の囲い込みは我々が先行している。

 (楽天のポイントは)約59万店舗で使えるなど使いやすさを含めてポイントの価値は高い」と強調する。今後については「(クレジットカードの利用などによりポイント付与率を上げる)『スーパーポイントアッププログラム(SPU)』を16年に始めて注文件数などを伸ばした。施策は追加せずにSPUを継続する」という。

 一方、アマゾンは独自の方法で顧客の囲い込みを狙う。有料会員制度の「アマゾンプライム」だ。迅速な配送といったサービスに加え、15年には動画や音楽の配信サービスを追加料金なしで使えるように拡充した。

 アマゾンジャパン(東京都目黒区)セラーサービス事業本部の星健一事業本部長は「コンテンツの利用を契機に『アマゾン』での購入者になったり継続利用したりする顧客が増えている」と手応えを語る。
                


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日刊工業新聞2017年2月20日

COMMENT

経済産業省の調査によると15年の国内消費者向けEC市場は約13兆8000億円。過去5年で2倍近く増えた。ただ、商取引金額全体に占めるECによる取引金額(EC化率)は4・75%にとどまる。データ活用などによるサイトの利便性向上は新たな市場を開拓し、EC化率を高める要素になり得る。その市場の獲得を巡る競争はすでに始まっている。 (第一産業部 葭本隆太)

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