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10年以上は当たり前。全面改良した新型トラックの投入相次ぐ

新排ガス規制の対応に。そしてどうなる自動運転への対応
10年以上は当たり前。全面改良した新型トラックの投入相次ぐ

「日野プロフィア=写真右」

トラック業界では2017年9月に強化される排出ガス規制に向けて、新型車の発表・発売が相次いでいる。日野自動車は大型と中型トラックの新型車を発表、大型トラックは14年ぶり、中型は16年ぶりの全面改良となる。両新型トラックは衝突被害軽減ブレーキ「PCS」を向上し、歩行者も検知する機能を付加するなどの安全性能を高めた。市橋保彦社長は「考え抜いた次世代トラックの新型車。新しいスタンダードになる」と自信をみる。

 新型の大型トラック「日野プロフィア」は5月22日に発売する。大型トラックとして日本初となる、対向車を遮光して常時ハイビームが使用できる「可変配光型LEDヘッドランプ」をオプション設定した。また2015年度燃費基準プラス10%達成車を新たに設けた。東京地区希望小売価格は、機械式自動変速機(AMT)「プロシフト」などを装備した代表車型で2405万1600円。シリーズ全体で年間1万1000台の販売を目指す。

 4月に発売した新型の中型トラック「日野レンジャー」には、日野プロフィアと同等の安全機能を標準装備した。東京地区希望小売価格は、代表車型で1142万7480円。シリーズ全体で年間1万7000台の販売を目指す。

 両新型トラックには車両情報を日野自に送るICTサービス機能を備えた。運転状況のリポート提出や整備が必要な時期を知らせるといった予防整備に役立てる。

人手不足を見据えた機能も


改良したいすゞの大型トラック「ギガ」

 いすゞ自動車は21年ぶりに全面改良した新型車を15年に投入済み。今回、大型トラック「ギガ」と中型トラック「フォワード」を改良して発売した。両車とも9月に適用される排出ガス規制に適合。ミリ波レーダーと車載カメラの性能を向上させて減速効果を伸ばし、安全性能を高めた。消費税抜きの東京地区希望小売価格は、ギガが2242万2000円、フォワードが1118万4000円。ギガシリーズで年間1万台、フォワードシリーズで1万8000台の販売を目指す。

 改良したギガには、地図情報を活用したギア制御機能「Smart グランド+g」を新規に投入した。地図情報と全地球測位システム(GPS)により先行道路の勾配を予測して適切なギア段を自動選択。省燃費運転を支援する。

 「いすゞの『ギガ』って運転してて疲れないよね」。運転手からこうした評価を得ることを念頭に改良に臨んだ。

 大型トラックは荷台部分の架装装置を含め多彩な機能を盛り込んでいる。各装置を動かすスイッチは標準的な車型で30種類弱。スイッチを運転席の周りに的確に配置、操作性を改善した。
ギガの内装

 フォワードでは、ターボシステムや燃料噴射、冷却機能などを見直したことで、燃費性能を向上。国内中型トラックでは初の燃費基準プラス10%を達成した。車型も拡大し、3月に新設された準中型免許に対応する車両総重量(GVW)7・5トン車を展開。若手ドライバーの確保につなげる。

 燃費や積載性など運送業者の経営を左右する性能の向上は従来から取り組みを強化しており、高いレベルを確保。一方、操作性や安全性の向上による運転手の疲労軽減にもこだわり、社会問題化する人手不足への貢献を目指した。

 トラック業界がまとめた16年度の普通トラック(4トン以上の大型と中型トラック)販売台数は、前年度比11・2%増の9万8106台。9万台の大台に乗ったのは2006年度以来、10年ぶり。7年連続で前年度実績を上回った。カーゴ系車両を中心とした物流需要が全体の数字を押し上げた。今年度も新車投入ラッシュでさらに販売台数が伸びそう。
テラサイクルの協力工場で葉と紙を除いたフィルター


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明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
いすゞが先月にオープンさせた「いすゞプラザ」。半分に分解した車両を含め展示実車数は約18台。スケールモデルを含めると約800台以上を展示、同社製トラックの開発の歴史や技術だけでなく、展示車両への乗車やトラックの仕組み、生活の関わり合いも楽しく学べる施設。1階にはトラックやバスが走る日本最大級のジオラマもある。 場所は藤沢工場(神奈川県藤沢市)の隣接地で入館料は無料。小田急江ノ島線「湘南台駅」からシャトルバスを運行しており、ぜひGWに親子で出かけてみては。

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