羽田ばかりじゃない…「選ばれる空港」へ、成田の魅力が増している!
成田へ行こう、NARITAから行こう!
成田国際空港(千葉県成田市)は国際拠点空港として進化を続けている。就航都市数は125都市と過去最大を更新。また、開業2年を迎えた格安航空会社(LCC)専用の第3旅客ターミナルも好調で、旅客数は初年度より1割以上増えた。路線・便数の拡大とともに、快適さや利便性向上への取り組みも着実に進み、「選ばれる空港」として魅力を増している。
成田国際空港は今年、総発着回数、就航都市数、定期乗り入れ航空会社数がともに開港以来最多を更新した。海外108都市、国内17都市、計125都市に就航し、定期乗り入れ航空会社数は96社となった。
さらに5月25日には、日本初乗り入れとなるインドネシアのLCC「インドネシア・エアアジアX」が就航し、97社となる。
16年は欧州への路線拡大が相次いだ。16年1月にLOTポーランド航空は日本に初めて乗り入れたほか、にスペインのイベリア航空が約18年ぶりに再就航した。
ともに国内では唯一の直行便となる。LOTポーランド航空のワルシャワ線は需要が高く、7月には現行の3便を4便に増やす予定だ。
アジア路線も引き続き堅調で、韓国、中国やASEAN諸国への新規就航や増便が続いたほか、7月にはハワイアン航空が新規にホノルル線を就航。
さらに2月にANAがメキシコシティ線に就航、3月にアエロメヒコ航空が同路線を増便するなど、中米路線の充実も国内屈指で、「バランスの取れたネットワーク構築」が着実に進む。NAAは「アジアと北米の結節点」としての機能をさらに高めるため、北米路線の強化を推進する考えだ。
また、首都圏唯一のLCC専用ターミナルとして、LCC拠点化も進む。5月25日からインドネシア・エアアジアXが日本人にも人気のバリ島の玄関口デンパサールへ週4便を運航。
韓国、中国へのLCC需要も堅調で、チェジュ航空のソウル線増便のほか、6月にはエアプサンが大抵線を就航、ジェットスターも上海線を就航する。今後はプーケットなど東南アジアのリゾート地への路線拡大が期待されている。
こうした航空会社の新規就航や路線開設を後押ししているのが、成田国際空港(NAA)が15年4月に始めた「成田ハブ化促進インセンティブ」だ。新規路線開設時に着陸料を最大1年間無料とするなど、航空会社の路線開設にかかる初期コストを抑え、LCC運航会社などを多く取り込んできた。
さらに4月1日からは「成田空港マーケティングインセンティブ」を導入。旅客数や貨物数を維持・増加させるために航空会社が負担する販促活動費の一部を支援する。施設改修など利用者の利便性向上のための取り組みなどにも対応する。出発旅客数、貨物取り扱い量に応じてインセンティブを支払い、旅客や貨物が増加した場合には上乗せする。旅客数の増加により空港内の飲食店や免税店などリテール売上の拡大にもつなげる狙いがある。
NAAでは空港利用時の利便性、快適さを高める取り組みを加速させている。その中心となるのが「ファストトラベル」推進だ。手続きの自動化促進などにより待ち時間を短縮し、これにより生まれる自由時間を活用してショッピングなどを楽しんでもらい、利用者の満足度向上を図る。
すでに導入の進む自動チェックイン機に加え、3月30日には第1旅客ターミナル(T1)で自動手荷物預け機の運用を開始。利用者自身で預け入れ手続きを完了でき、チェックインカウンターに並ばすにすむ。14カ国語で操作可能で、増加する訪日外国人にも対応する。
セキュリティー向上、安全対策を徹底しながら、保安検査のスムーズ化も進む。国際旅客の保安検査では、全ターミナルでボディスキャナーを導入した。入場から画像確認まで12―20秒程度で、保安を高度化するとともに検査時間を短縮する。
乗り継ぎや搭乗までの待ち時間をより快適に、また有効に使えるような空間も整備されている。16年10月にT1の出国審査後エリアに、NAA直営の「ナリタトラベルラウンジ」がオープンした。航空機の離着陸が見ながら、搭乗までの時間を心地よく過ごせる有料ラウンジだ。
また、成田国際空港内には免税店、物販店、飲食店などが約300店舗出店している。T1のショッピングエリア「エアポートモール」に日本食専門店を集めたエリアがオープンしたほか、T2の免税店・ブランドモール「ナリタ5番街」の店舗も拡充。ラグジュアリーブランドから日本土産まで、幅広い店舗展開で商業施設の魅力も高まっている。
8日に開業から2年を迎えたLCC専用の第3旅客ターミナル(T3)も順調に旅客数を伸ばしている。開業2年目の通年旅客数は680万人程度となる見込みで、初年度より約12%増となる。
また、旅客便発着回数に占めるLCCの割合は16年夏ダイヤでは25・7%だったが、17年夏ダイヤでは30%を超える。当初、NAAでは18年度末までに30%とする目標を掲げていたが、これを上回る速度でLCC拠点化が進んでいる。
今後も急速な旅客数増加が見込まれるT3では、混雑緩和や利便性向上が急務となっている。まず、混雑が目立ち始めていたチェックインカウンターの業務効率化に向け、16年12月に受託手荷物搬送用コンベアを改修。国際線、国内線用のカウンターを柔軟に切り替えて有効活用できるようにし、混雑時の待ち時間を減らした。
また、課題とされていた鉄道駅からの移動時間も改善した。鉄道駅のあるT2とT3間の無料連絡バスルートを見直し、所要時間を従来の半分以下の約5分に短縮。運行間隔もピーク時3-5分と本数を増やし、利用者の利便性を高めている。
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発着数過去最大に。欧州拡大、アジア堅調
成田国際空港は今年、総発着回数、就航都市数、定期乗り入れ航空会社数がともに開港以来最多を更新した。海外108都市、国内17都市、計125都市に就航し、定期乗り入れ航空会社数は96社となった。
さらに5月25日には、日本初乗り入れとなるインドネシアのLCC「インドネシア・エアアジアX」が就航し、97社となる。
16年は欧州への路線拡大が相次いだ。16年1月にLOTポーランド航空は日本に初めて乗り入れたほか、にスペインのイベリア航空が約18年ぶりに再就航した。
ともに国内では唯一の直行便となる。LOTポーランド航空のワルシャワ線は需要が高く、7月には現行の3便を4便に増やす予定だ。
アジア路線も引き続き堅調で、韓国、中国やASEAN諸国への新規就航や増便が続いたほか、7月にはハワイアン航空が新規にホノルル線を就航。
さらに2月にANAがメキシコシティ線に就航、3月にアエロメヒコ航空が同路線を増便するなど、中米路線の充実も国内屈指で、「バランスの取れたネットワーク構築」が着実に進む。NAAは「アジアと北米の結節点」としての機能をさらに高めるため、北米路線の強化を推進する考えだ。
また、首都圏唯一のLCC専用ターミナルとして、LCC拠点化も進む。5月25日からインドネシア・エアアジアXが日本人にも人気のバリ島の玄関口デンパサールへ週4便を運航。
韓国、中国へのLCC需要も堅調で、チェジュ航空のソウル線増便のほか、6月にはエアプサンが大抵線を就航、ジェットスターも上海線を就航する。今後はプーケットなど東南アジアのリゾート地への路線拡大が期待されている。
ハブ空港化促進 快適さ向上
こうした航空会社の新規就航や路線開設を後押ししているのが、成田国際空港(NAA)が15年4月に始めた「成田ハブ化促進インセンティブ」だ。新規路線開設時に着陸料を最大1年間無料とするなど、航空会社の路線開設にかかる初期コストを抑え、LCC運航会社などを多く取り込んできた。
さらに4月1日からは「成田空港マーケティングインセンティブ」を導入。旅客数や貨物数を維持・増加させるために航空会社が負担する販促活動費の一部を支援する。施設改修など利用者の利便性向上のための取り組みなどにも対応する。出発旅客数、貨物取り扱い量に応じてインセンティブを支払い、旅客や貨物が増加した場合には上乗せする。旅客数の増加により空港内の飲食店や免税店などリテール売上の拡大にもつなげる狙いがある。
ファストトラベル推進
NAAでは空港利用時の利便性、快適さを高める取り組みを加速させている。その中心となるのが「ファストトラベル」推進だ。手続きの自動化促進などにより待ち時間を短縮し、これにより生まれる自由時間を活用してショッピングなどを楽しんでもらい、利用者の満足度向上を図る。
すでに導入の進む自動チェックイン機に加え、3月30日には第1旅客ターミナル(T1)で自動手荷物預け機の運用を開始。利用者自身で預け入れ手続きを完了でき、チェックインカウンターに並ばすにすむ。14カ国語で操作可能で、増加する訪日外国人にも対応する。
セキュリティー向上、安全対策を徹底しながら、保安検査のスムーズ化も進む。国際旅客の保安検査では、全ターミナルでボディスキャナーを導入した。入場から画像確認まで12―20秒程度で、保安を高度化するとともに検査時間を短縮する。
くつろぎ空間
乗り継ぎや搭乗までの待ち時間をより快適に、また有効に使えるような空間も整備されている。16年10月にT1の出国審査後エリアに、NAA直営の「ナリタトラベルラウンジ」がオープンした。航空機の離着陸が見ながら、搭乗までの時間を心地よく過ごせる有料ラウンジだ。
また、成田国際空港内には免税店、物販店、飲食店などが約300店舗出店している。T1のショッピングエリア「エアポートモール」に日本食専門店を集めたエリアがオープンしたほか、T2の免税店・ブランドモール「ナリタ5番街」の店舗も拡充。ラグジュアリーブランドから日本土産まで、幅広い店舗展開で商業施設の魅力も高まっている。
LCC拠点化進む、旅客数順調に伸長
8日に開業から2年を迎えたLCC専用の第3旅客ターミナル(T3)も順調に旅客数を伸ばしている。開業2年目の通年旅客数は680万人程度となる見込みで、初年度より約12%増となる。
また、旅客便発着回数に占めるLCCの割合は16年夏ダイヤでは25・7%だったが、17年夏ダイヤでは30%を超える。当初、NAAでは18年度末までに30%とする目標を掲げていたが、これを上回る速度でLCC拠点化が進んでいる。
今後も急速な旅客数増加が見込まれるT3では、混雑緩和や利便性向上が急務となっている。まず、混雑が目立ち始めていたチェックインカウンターの業務効率化に向け、16年12月に受託手荷物搬送用コンベアを改修。国際線、国内線用のカウンターを柔軟に切り替えて有効活用できるようにし、混雑時の待ち時間を減らした。
また、課題とされていた鉄道駅からの移動時間も改善した。鉄道駅のあるT2とT3間の無料連絡バスルートを見直し、所要時間を従来の半分以下の約5分に短縮。運行間隔もピーク時3-5分と本数を増やし、利用者の利便性を高めている。
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