投資信託がIoTやAIなど先端技術に焦点を当て始めた!

貯蓄から投資への流れへの後押しになるか

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 IoT(モノのインターネット)、人工知能(AI)など最先端技術に焦点を当てた投資信託(ファンド)が立ち上がっている。三井住友アセットマネジメントは自動運転に関連するファンドを国内で初めて開発、ニッセイアセットマネジメントも運用対象を国内のAI関連企業の株式に特化したファンドを組成した。貯蓄から投資への流れが徐々に進む中、新ファンドには投資マネーを技術開発に結び付けられるかにも期待が集まる。

 三井住友アセットが28日から運用を始めるのが「グローバル自動運転関連株式ファンド」。米大手運用会社のニューバーガー・バーマンと組み、世界30カ国以上、約1400社を対象に、自動運転に関連した製品やサービスを開発する企業(約130銘柄)を独自の調査で選別する。

 投資対象はカメラやセンサーなどの「認知」、センサーフュージョンなどの「判断」といった自動運転の中で特にコアとなる分野。この2分野で高い技術を持つ優良企業を世界中から探し出し、最終的に40―50銘柄前後でポートフォリオを組むという。

 三井住友アセットのモデルケースでは、投資対象国は米国だけでなく日本や台湾、中国、イスラエルなど地域を分散。投資規模も大型株と中小型株を同程度の比率に設定するなど「グローバルに分散投資できるのが今回のファンド」(投信マーケティング第一部の野中邦彦次長)。

 自動車市場では世界販売台数の低成長が予想される。ただ内訳を見ると、自動運転などの先進技術を搭載した自動車は市場が年々拡大すると見られ、ファンドへのニーズも高いと判断した。

 一方、ニッセイアセットは投資対象を国内のAI関連企業株に特化した新しいファンドを開発。国内外の株式に広く投資するグローバル型のAIファンドに続く2本目となる。国内株式に特化したAI関連のファンドは珍しいという。

 投資候補となる約200銘柄の内、50銘柄程度を選ぶ。IT関連の業種を中心に、主に中小型株式で運用するのが特徴。純資産残高は1000億円までを設定している。

 民間調査会社の調べによるとAIの活用領域が増えるのに伴い、関連の市場規模は2030年に約87兆円と15年比で約24倍に拡大する見通し。ニッセイアセットの白澤貴之商品開発部課長は「AIは成長性が非常に期待できる分野。今回の新ファンドを中長期的に運用していきたい」と話す。
(文=杉浦武士)

日刊工業新聞2017年4月28日

COMMENT

自動運転やAIをめぐっては世界的に開発競争が激化し、企業にとって資金ニーズは依然として強い。貯蓄から投資への流れがテーマになる中、新ファンドには投資家の資金を技術開発に結びつける橋渡し役となることが期待される。 (日刊工業新聞経済部・杉浦武士)

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