東海大はなぜ「健康」イメージを広げるのか

山田学長に聞く。「文化社会学部×北欧学科」で生活の質向上に貢献

 神奈川県の湘南地区を中心に東京・代々木や熊本、札幌など全国8カ所のキャンパスを構える東海大学は理工系と文系の18の学部を擁し、毎年多くの人材を社会に輩出している。2014年度からの5カ年計画「第2期中期目標」では、研究教育に加え社会・国際連携を大きな柱に掲げ、19年度からの第3期に向け取り組みを加速させる。今年で創立75周年を迎える山田清志学長に取り組みを聞いた。

 ―東海大の特徴は。
 「『先駆けであること』や『他人がやらないことへの挑戦』を重視する。例えば、在学中にパイロットの免許が取れる『工学部航空宇宙学科航空操縦学専攻』や、私立大で唯一所有する海洋調査研修船『望星丸』を利用した実習・研修などだ。望星丸は海洋学部の研究用途が主だが、学部生の海外研修航海にも利用する。共同生活を伴う航海は学生にとって貴重な体験になるだろう」

 ―18年度に健康学部と文化社会学部を新設します。
 「両学部に共通するキーワードはQOL(生活の質)。大学全体でQOLを高める取り組みを進める。健康学部ではQOLの取り組みを担う人材を育成し、『東海大と言えば健康』というイメージを広めたい。さらに健康を支える専門分野を持つ特性を生かし、新しい教育内容や環境を整備し、社会の先駆けとなりたい」

 「高度経済成長が終わった現在では、北欧のようにゆとりを持ちながら1人当たりの国内総生産(GDP)を高める必要がある。文化社会学部には北欧学科があり、ここでの研究を社会全体の健全さや働き方改革などに生かすことで、QOLの向上につなげていきたい。両学部の開設で、個人と社会の健康に貢献したいと考えている」

 ―大学や企業との連携に関しては。
「QOLに関する産学連携や医工連携を展開したい。病気の治療ではなく予防につながる『未病』に関する取り組みも進める」

<略歴>
山田清志(やまだ・きよし)80年(昭55)早大法卒。84年東海大助手、94年助教授。98年米ハワイ東海大インターナショナルカレッジ学長、04年東海大教授、08年国際戦略本部本部長、09年副学長、14年学長。北海道出身、61歳。


(聞き手=冨井哲雄)

日刊工業新聞2017年4月27日

日刊工業新聞 記者

日刊工業新聞 記者
04月27日
この記事のファシリテーター

東海大は理工学部ではなく理学部と工学部が別々に設置されており、研究者の層が厚いことが特徴だ。16年には私立大の全学研究を後押しする「私立大学研究ブランディング事業」に選ばれ全学的な独自色を打ち出す。山田学長が推し進めるQOLへの取り組みが大学をどう変えるのか見ていきたい。
(日刊工業新聞科学技術部・冨井哲雄)

この記事にコメントする

  

ファシリテーター紹介

記者・ファシリテーターへのメッセージ

この記事に関するご意見、ご感想
情報などをお寄せください。