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総合順位では東大だけど、「教育資源」でトップだった大学とは

東京医科歯科大が1位に。TESグローバルが初の日本版教育ランキング
英教育誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」(THE)を運営するTESグローバルは30日、ベネッセグループと共同で、日本の大学の教育ランキングを発表した。上位は東京大学東北大学京都大学の順で国立大が続き、私大では早稲田大学(10位)、慶応義塾大学(11位)が上位だった。日本版の教育ランキング作成は初めて。従来の研究重視のランキングとは違うため、大学選びに新たな視点を提供しそうだ。

 TESグローバルは、以前から全世界の「研究力」を対象とする「THE世界大学ランキング」を作成している。今回作成した「THE世界大学ランキング日本版2017」は大学の「教育力」を国別に見た調査であり、作成は米国に次いで2番目となる。

 教育資源に相当する学生1人当たりの資金や同教員数、また高校教員や企業人事担当者、研究者の評判調査など、11指標からなる四つの切り口で点数化した。日本の435大学の提供データなどを基に、総合上位150位や切り口別のランキングを出し、約300の大学名を挙げた。

 切り口別では特色ある大学名が上位に入った。教育資源の1位は東京医科歯科大学、5位は浜松医科大学だ。高校教員の評判は1位が国際教養大学となった。企業や研究者の評判では、大規模研究大学が上位を占めた。これに対して国際性では1位の立命館アジア太平洋大学、2位の大阪経済法科大学、3位の東京国際大学など私立大学が上位を占めた。
日刊工業新聞2017年3月31日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
大学は多種多様なものであり、同じ尺度で数値化、序列化するのはおかしい。ランキングは学術論文雑誌の出版やデータベースのビジネスを手がけるところが出しているケースが多く、指標も測定可能なものだけが使われている。本質的な大学の研究教育の評価と混同され、国の政策などに反映されるのはよくない。

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