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「A350-1000」、水浸しの地面走行試験

2017年末までの商業飛行開始を目指す
「A350-1000」、水浸しの地面走行試験

水しぶきを上げて走行するA350-1000の試験機=17年4月 PHOTO: JF. Bramard, cambulle/Airbus

 エアバスはこのほど、大型機A350 XWBの長胴型となるA350-1000型機の走行試験をフランス南部で実施した。水浸しの地面を走行し、予定どおりに作動することを確認した。

 フランス南部のイストル空軍基地で実施した走行試験で、水浸しの地面を時速80ノット(約148キロ)から140ノットで加速。5回繰り返し、検証した。

 A350-1000はエアバスの双発旅客機では最大の機種。エンジンはロールス・ロイス製Trent XWB-97を2基搭載している。胴体を延長したことで、標準型のA350-900よりも乗客を40人以上多く乗せることできる。主脚のタイヤは、従来の1脚あたり4本から同6本に増やした。

 エアバスでは、派生型のA350-1000は量産初号機の引き渡し開始まで、より短期間での到達を見込む。3機の飛行試験機を使って約1年間の試験を実施し、2017年末までの商業飛行開始を目指す。

 初号機(登録番号F-WMIL)は2016年11月に、3号機(F-WWXL)は今年1月に、2号機(F-WLXV)は2月に初飛行した。2号機には客室を備え、世界各地で飛行試験を実施する。

 A350-1000は3月末現在、211機の受注を獲得している。日本の航空会社では、日本航空(JAL)が31機のA350 XWBを2013年10月7日に確定発注。A350-900が18機、A350-1000が13機で、このほかにオプションで25機を購入する。2019年にA350-900の初号機が就航する予定で、現在保有するボーイング777型機を6年程度で置き換える。
水浸しの地面を走行するA350-1000の試験機=17年4月
吉川忠行
吉川忠行 Yoshikawa Tadayuki Aviation Wire 編集長
A350-1000、水浸しの地面走行試験。フランス南部のイストル空軍基地で実施しました。

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