北海道発アプリ、「毎日がラーメン」は世界にも広がるか
クリア、東京五輪見据え情報発信
クリアが手がけるサービスは、ラーメン好きであれば1度は耳にしたことがあるかもしれない。スマートフォン用アプリケーションの「毎日がラーメン」。食べたラーメンの写真などが記録できるほか、ラーメン店の人気ランキングなどの情報も利用者間で共有できるサービスだ。現在、全国に約3万5000店あるというラーメン店のうち、約3万店の情報を掲載する。月に約2万人が利用し、人気を博している。
社長の土門亨は1986年に北見工業大学を卒業後、大手通信機器メーカーで電子回路やソフトウエアの開発に携わった。だが、97年に北海道拓殖銀行が経営破綻。生まれ育った北海道経済の惨状をみて「自分の経験を生かして地域のために何かしたい」と退職、地元に戻った。
小樽商科大学大学院に入り直し、経営学修士(MBA)を取得。ツイッターなどが広がり始めていた時代で、スマホ用アプリに可能性を感じ、アプリの開発に取り組もうと12年1月にクリアを起業した。当初は北海道の店舗などを紹介するアプリや受託開発などを手がけた。
「毎日がラーメン」の開発は、ふとしたことがきっかけだった。13年に広部雄太をプログラミング担当として採用し、よく2人でラーメンの話をした。出勤途中のバスの中で「これだけラーメンが好きなのに、なぜアプリをつくらなかったのだろう」と思い立った。すぐに2人で開発を進め、14年1月に「毎日がラーメン」を発表した。
毎日がラーメンは店舗用なども公開、サービスを拡大しており、20年の東京五輪・パラリンピックに向けて改良に取り組む予定だ。日本各地で本当に人気のあるラーメンを外国人観光客に紹介したい考えで、土門は「地元が熱狂しているラーメンの情報を伝えたい」と力を込める。
土門には地元の北海道への思いが変わらずある。「毎日がラーメンの事業が拡大すれば、自社のエンジニアや営業などを増やしていける」と雇用面での活性化を見据える。札幌はIT企業が集積しているが、「下請けでやっている企業が多い」と指摘する。多くのエンジニアは独自のアイデアで勝負したいと考えるはずだ。「そのアイデアを実現する場所を当社として提供していきたい」と将来を描く。地域貢献という初志の貫徹に向けて、改めて成長を誓う。
(敬称略)
(文=札幌・山岸渉)
社長の土門亨は1986年に北見工業大学を卒業後、大手通信機器メーカーで電子回路やソフトウエアの開発に携わった。だが、97年に北海道拓殖銀行が経営破綻。生まれ育った北海道経済の惨状をみて「自分の経験を生かして地域のために何かしたい」と退職、地元に戻った。
小樽商科大学大学院に入り直し、経営学修士(MBA)を取得。ツイッターなどが広がり始めていた時代で、スマホ用アプリに可能性を感じ、アプリの開発に取り組もうと12年1月にクリアを起業した。当初は北海道の店舗などを紹介するアプリや受託開発などを手がけた。
「毎日がラーメン」の開発は、ふとしたことがきっかけだった。13年に広部雄太をプログラミング担当として採用し、よく2人でラーメンの話をした。出勤途中のバスの中で「これだけラーメンが好きなのに、なぜアプリをつくらなかったのだろう」と思い立った。すぐに2人で開発を進め、14年1月に「毎日がラーメン」を発表した。
毎日がラーメンは店舗用なども公開、サービスを拡大しており、20年の東京五輪・パラリンピックに向けて改良に取り組む予定だ。日本各地で本当に人気のあるラーメンを外国人観光客に紹介したい考えで、土門は「地元が熱狂しているラーメンの情報を伝えたい」と力を込める。
土門には地元の北海道への思いが変わらずある。「毎日がラーメンの事業が拡大すれば、自社のエンジニアや営業などを増やしていける」と雇用面での活性化を見据える。札幌はIT企業が集積しているが、「下請けでやっている企業が多い」と指摘する。多くのエンジニアは独自のアイデアで勝負したいと考えるはずだ。「そのアイデアを実現する場所を当社として提供していきたい」と将来を描く。地域貢献という初志の貫徹に向けて、改めて成長を誓う。
(敬称略)
(文=札幌・山岸渉)
日刊工業新聞2017年3月27日