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パナソニックが「街受ロッカー」投入。クラウド管理で電子マネー決済も

物流事業者に連絡し発送まで完了する「セルフ発送」に対応
パナソニックが「街受ロッカー」投入。クラウド管理で電子マネー決済も

パナソニックが投入する「街受ロッカー」

 パナソニックは駅などで宅配便の受け取り・発送が可能なロッカー「街受ロッカー」を2017年度に市場投入する。クラウドサービスを活用した情報配信やパスワード認証などの機能を採用し、業務効率の改善と安全な受け取りを可能とした。物流業界はインターネット通販の普及で荷物量が急増し、人手不足や再配達コストの増加に悩まされている。業務の効率化やサービス向上に役立つシステムとして提案する。

 街受ロッカーは収納部2列と操作部が一体になった基本ユニットで構成し、大きさは高さ約1830ミリ×幅約1050ミリメートル。消費税抜きの価格は約150万円。

 事業者のビジネスモデルに応じて電子マネー決済やバーコードリーダー、ラベルプリンター、荷物計測、全方位カメラ、冷蔵庫、遠隔管理などの機能を加えられる。

 クラウドサービスを介してロッカーの空き情報や荷物の配達情報などを物流業者や通販業者、消費者に配信することで、再配達コストの削減やサービス向上につなげる。

 荷物の重量・寸法を計るロッカーボックスを使えば、送り先情報と合わせて料金算出と電子マネー決済も可能になる。物流事業者に連絡して発送まで完了する「セルフ発送」サービスにも対応した。

 パスワード認証機能を備えており、鍵の管理が不要。これによりコンビニエンスストアなどの店頭受け取りで求められる個人情報の提示も必要なくなる。ロッカー前面の全方位カメラは不審な利用者の顔や荷物の画像も記録でき、安全性を向上できる。

日刊工業新聞2017年3月31日



住宅用は発売延期


 パナソニックは28日、4月3日に予定していた住宅用宅配ボックス「コンボ」3機種の発売を6月1日に延期すると発表した。宅配ボックスの需要が急増して既存商品の受注量が従来の5倍以上に膨らみ、生産が追いつかなくなったため。生産設備を増強し、既存商品の生産を優先して納期遅れに対応する。

 従来、既存品の月産台数は400―500台で推移していた。しかし運送会社の人手不足や荷物量増加の問題について相次いで報道された影響から、3月の受注量は約2000台に跳ね上がった。

 同社では新機種投入に合わせて月産能力を最大1300台まで引き上げていたが、その発売前に早くも生産能力が足りなくなった格好だ。

 同社では月産能力を2000―3000台まで高めた上で新機種を発売する。また2016年度の販売台数は約5500台を見込んでいたが、約6200台に上振れる見通し。

日刊工業新聞2017年3月29日

明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
パナソニックは同ロッカーを物流、鉄道、流通などの業界に提案。18年度に物流・流通向けシステム全体で2000億円規模の売り上げを目指しているが、今回の取り組みにより目標達成に弾みを付けられるか。

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