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味の素「地元の野菜を摂ろう!」でJA、大学、小売りと連携

地域振興で調味料消費の拡大狙う
味の素「地元の野菜を摂ろう!」でJA、大学、小売りと連携

スーパー店舗で野菜摂取をPRする

 味の素は中部や関西といった全国のエリアごとに、野菜の摂取を促す活動「ラブベジ」を加速する。農業協同組合(JA)グループや地元大学、料理研究家、スーパーマーケットなどの小売業界、地方自治体と連携して取り組む。地元で採れた野菜を生かし、メニューを学生などと共同開発するほか、小売り店頭を通じて提案。味の素は地元野菜に光を当てることで地域活性化にもつなげるほか、うま味調味料の「味の素」や「ほんだし」の消費拡大を狙う。

 味の素が進める活動のラブベジは、1日当たり必要とされる350グラム以上の野菜摂取を、おいしく食べるメニューの提案といった“コト消費”で促す。すでに、名古屋(名古屋市昭和区)と大阪(大阪市北区)の2支社で始めた。状況を見ながら「他の支社にも広げる」(岩本保副社長)方針だ。

 名古屋支社の活動は、愛知県経済農業協同組合連合会(JAあいち経済連)や野菜農家、地元料理研究家、椙(すぎ)山女学園大学などがメンバーで参加。味の素グループは味の素のほか、J―オイルミルズやヤマキも加わっている。料理研究家や学生と共同で、地元野菜を利用した郷土料理メニューを開発。地元の店に提案したり、小売り店頭で野菜販売と一緒に提案したりする。

 野菜の摂取を強化する活動はキユーピーなども取り組んでいるが、生野菜サラダを通じた全国型が主。味の素のラブベジは地方単位で、メニューも煮物などの郷土料理を中心としている点が特徴だ。

 厚生労働省は1日350グラムの野菜摂取を呼びかけているが、味の素の調査によると全世代で不足しており「特に若い世代の男女は深刻」だという。

 同社は生活や働き方の多様化を背景に家庭で調理する時間が減り、外食産業で提供される炭水化物の多いメニューに頼っていることが、野菜不足につながっていると見ている。
(文=嶋田歩)
日刊工業新聞2017年3月29日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
せっかくなら食育までのストーリーにつなげて欲しいですね。「ブランド化」されている野菜もあるが、各地域の人は普通と思って食べていても、実はかなり美味しいものをあるはず。それを「美味しいまま」で全国で売る技術的な工夫もまだまだあるはず。

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