「鏡よ、鏡、私のお肌の状態は」―。パナソニック、魔法ミラーの秘密

「隠れシミ」を光センサーで発見、化粧品に近い顔料を印刷する技術を合体

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肌の状態を調べて表示する「スノービューティミラー」
 「鏡よ、鏡、私のお肌の状態は」―。パナソニックが開発した「スノービューティミラー」は、光センサーを使って肌の状態を調べて表示できる鏡だ。取得した肌情報をもとに、シミなどを隠す個人の肌の色に合わせた化粧用シートを印刷する技術も開発した。二つの技術を組み合わせて、童話「白雪姫」に登場する「魔法の鏡」の現代版とも呼べるサービスを実現しようとしている。

 「スノービューティミラー」は鏡と液晶ディスプレーを組み合わせた製品。テレビのリアルタイム画像処理技術を使い、鏡に映る映像に別の映像を合わせて表示できる。人の顔の映像に口紅やファンデーションの映像を合成して化粧のシミュレーションをしたり、人の目で見つけにくい「隠れシミ」を光センサーで発見して、位置を表示したりできる。

 化粧用シートは、厚さ100ナノメートル(ナノは10億分の1)ほどの医療用シートにファンデーションやコンシーラーといった化粧品に近い顔料を印刷してつくる。印刷用プリンターは、有機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)ディスプレーの製造で培った高精細のインクジェット技術とインク材料を応用して開発した。

 「スノービューティミラー」で測定した肌情報をもとに個人の肌の色に合わせてつくるシートは、化粧のほか、シミやあざを隠す美容目的にも使える。水を使って顔に貼り付けた後、ファンデーションで境目を隠せば全く目立たなくなり、一日中つけていられる。

 ただ、シートの安全性、薄膜の取り扱い、さまざまな使用環境への対応など実用に向けた課題も多く「完成度は30%程度」(川口さち子全社CTO室事業創出推進2課長)という。事業展開の方法は、化粧品メーカーや材料メーカーなどとの協業も視野に検討中だ。
(文=大阪・錦織承平)

日刊工業新聞2017年3月14日

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事業化の目標は2020年ごろ。化粧品販売店、美容サロン、家庭向けを想定する。おとぎ話の「魔法の鏡」が現実になる日はそれほど遠くなさそうだ。 (日刊工業新聞大阪支社・錦織承平)

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